神姫者の巣

神姫好きの、また~りとしたブログ

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取扱説明書のススメ

おひさしぶりです。まだ寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
シロでございます。

いまだ某所に籠りきりで神姫関係の作業はとんと進んでおりませんが、それなりに楽しく生きてます。

さて、以前記事にもしましたが、現在ガンダム(というかGBF)の二次創作を書いていますが、じつは私、MSの知識はあまりなかったりします。
ファーストからZZぐらいまでに登場したMSならなんとか思い出せますが、それもかなり曖昧な記憶。
GBFといえば、各作品の枠を超えたMSが活躍するお祭り的作品ですので、拙作に毎回登場するMS(ガンプラ)の外見や性能の描写に四苦八苦しています。

そんななかで重宝しているのが、いままで買ったガンプラの取り扱い説明書。簡易的ではありますが、各種設定などが載っておりなかなか役に立つんですよね。
とはいえ、登場させたいガンプラを必ず持っているわけもなく、某イエローサブマリンなどに寄った際にはこんなものも買い集めるようになりました。

CIMG1848.jpg

そう、各種ガンプラの取扱説明書です。

イエローサブマリン内には『パーツパラダイス』と呼ばれるガンプラ等の各パーツを個別販売しているコーナーがありまして(すべての店舗ではありません!)、とうぜんのごとく内容物の一部でもある取説もばら売りしています。

一昔前はこんなものは目もくれませんでしたが、最近では重点的に買い漁っています。

CIMG1849.jpg

価格はバラつきがありますが、HGUCシリーズなら、10円から100円ぐらいとたいへんリーズナブル。

CIMG1851.jpg

CIMG1850.jpg

☝の画像はPGエクシアの物ですが、かなり詳細な解説がなされており、資料性はかなり高いです。


とはいえ、当ブログをのぞきに来られる方は武装神姫に興味がある方がほとんどのはず、大半の方はガンプラの取説など必要ない! と思われるでしょう。
ですがこの取説には、神姫の武装を改造している方々にも役に立つことがあります。

CIMG1961.jpg

それは画面右下にある『部品注文カード』。その名の通り、ガンプラを作っている際、部品を無くしたり壊してしまったさいに使うものです。
私は以前から神姫の武装改造用に前述のパーツパラダイスを利用していましたが、必ずお目当ての品があるわけでも無く無駄足を踏むことがよくありました。

資料として集め始めた取説ですが『部品注文カード』を使えば、お目当ての品が確実に入手できることに気づき(部品自体の在庫が無い場合は無理ですが……)さっそく注文してみました。

CIMG1957 - コピー

で、待つことしばし、一週間ほど経過して送られてきました、バンダイ様から!

CIMG1958.jpg

中身はヤクト・ドーガの頭部×2と、アストレイの対艦刀の受けパーツ×4です。
傍から見れば何に使うか分からないようなブツですが、細かいことは気にしないでください(笑)。

これらの部品代はだいたい一個40円ほど、それに送料が加えられますが、かなり安価なのではないでしょうか?
しかも、ひとつの部品は最大4個まで注文可能です。
一部のパーツが欲しいが為だけに丸ごと買うのを考えれば、手間はかかりますがやってみる価値はあると思います。

もしイエローサブマリンのパーツパラダイスに立ち寄った際には、ばら売りパーツだけではなくこれらの取説を手に取ってみることをお勧めします。
神姫の武装の改造のさい、新たな可能性が見えてくるかもしれませんよ?


追記
記事でも触れましたが、すべてのイエローサブマリン内にパーツパラダイスがあるわけではありません。
私が知る限りでは、秋葉原のラジオ会館内のイエローサブマリンと、大宮本店の二か所だけです。
興味のある方は、事前に確認してから行ってください。

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武装神姫 クロスロード 第43話


                  武装神姫 クロスロード

                  第43話 「覚醒」

 一直線に自分たちめがけて突進してくるあたしたちを目にするや、使徒たちはあわてて
迎撃を開始した。
『この……こなくそッ!』
 雨あられと降り注ぐビームをかいくぐり、あたしは使徒に肉薄する。
 使徒はビームライフルを投げ捨てると、手にしたビームソードをふりかざす。光の刃が
顔面めがけて突き込まれる。
 間一髪、限界まで首をひねってソードの切っ先をやりすごす、首のジョイントが盛大に
悲鳴をあげた。

                   あっ、なんかヘンな音がした。

 首を押さえながら、惰性で突っ込んできた使徒をかわすと、あたしは使徒の背中を思い
切り蹴りとばした。
 バランスを崩し、使徒は地上めがけて落ちはじめる。
『えっ、ルーシィ?』
 落下していく使徒を目で追っていると、まだルーシィが戦場となった店内に残っている
ことに気がついた。
 さっきからポツンと上を見ていたルーシィは、使徒に気づくやあわててビームライフルを
持ち上げ照準を合わせるが、いっこうに攻撃する気配がなかった。
『どうしたの? ルーシィ!』
 あたしの叫びにもちかい問いかけにも、身体を震わせ彫像と化したかのようにルーシィ
は動かない。

                   しまった! ルーシィはまだ……

 ルーシィは、その優しさゆえに敵に対しても非常に徹しきれない。あたしは、実戦に身
を置けばルーシィも変わるだろうと簡単に考えていた。
『この……馬鹿女!』
 自分自身を罵倒すると、全力で急降下を開始する。
 ルーシィに狙い撃たれると観念していた使徒も、ルーシィの異変に気づいたみたいだった。
ブースターが火を噴き、ルーシィに体当たりせんほどの勢いで襲いかかる。
『ルーシィ、逃げて!』
 あたしの血を吐くような叫びにも、ルーシィは動かない。
 絶望が全身をかけ巡った瞬間、あたしの横を一陣の疾風が通り過ぎた。背後から襲いか
かる気配に気づき、使徒は頭上を降り仰ぐ。

『<ブレードストーム!>』
 叫びとともに、白い疾風が使徒の身体を駆け抜け、恐怖を顔に張り付けたまま彼女の身
体は空中で数個に分かれ、閃光に包まれた。
『……リセル』
 放心したように床に座り込んだルーシィのそばに、両手に一対の光剣を握りしめたリセ
ルが音もなく立っていた。
『セラフ…さん?』
 ようやく事態を把握したのか、リセルを見上げるルーシィの瞳に、大粒の涙がたまって
いく。リセルは光剣を腰に収めながらしゃがみ込むと、ルーシィの身体をそっと抱きしめ
た。
『もう、だいじょうぶよ』
 その言葉に安堵したのか、ルーシィは声を上げて鳴きはじめた。
『ルーシィ!』
『リ、リンさま?』
 床の降り立ち、走りよるあたしに気づくと、ルーシィはいきなりしがみついてきた。
『リンさま、ごめんなさい。わたし、わたし……』
 あたしは、嗚咽をあげて泣きじゃくるルーシィのあたまを撫でさすった。
『もういいよ、何も言わなくても。ほんとうにごめんね、無理させちゃって。あとはあ
たしたちに任せてルーシィは美佐緒たちのところに行って』
 ルーシィは驚きの相を浮かべ何か言おうとしたが、あたしは首を振ると地下室の入り
口を指示した。
 あたしたちはしばらく沈黙したまま見つめ合っていた。でもあたしが口を閉ざしている
と、ルーシィは観念したのか、肩を落としながら美佐緒たちの元へと歩いていった。

 あたしはルーシィの後ろ姿を見送りながら、こんなときに気の利いたなぐさめの言葉一
つかけてあげられない自分の不器用さに心底腹を立てていた。
『だいじょうぶですよ、隣さん。ルーシィはわかってくれます』
 あたしの心情を察してくれたのか、リセルはそう言いながら上を向いた。

『また、借りをつくっちゃったね?』
 飛翔しながら、前を向いたままあたしはリセルにお礼を言った。
『いえ、そんな……それに、ルーシィを見ていると昔を思い出すんです』
 リセルは、すこし照れくさそうに言った。
『むかし?』
『ええ、あの娘はそっくりなんです』
『誰に?』
『わたしに……です』
 それはまったく予期しない言葉だった。あたしがそのことを問いただそうとすると、リ
セルはかすかに微笑み、さらに加速した。

『いいかげんに観念したらどうだ?』
 再び対峙したあたしたちにむかって、サタナエルが嘲笑を含んだ声で話しかけてきた。
 問いには答えず無言でにらみつけるあたしたちを前に、サタナエルは大きなため息をつ
いた。
『貴様等がどうあがこうが、結果は変わらん』
 サタナエルはそう言いながら、ちらりと眼下に目をやった。
 戦いの余波でボロボロになった床の上に、ガーネットやレスティーアにリューネ、それ
にリベルターが見るも無惨な傷を体中に刻み込まれ、床に倒れ伏していた。
 あたしの目は涙で曇り、彼女たちをスリガラスのむこうに覆い隠す。
『あたしはあんたを許さない。必ずガーネットたちの仇は取ってみせる!』
『安心するがいい、トナリ・イチノセ。奴らはまだ完全に破壊されてはいない』
『え?』
 思いがけない言葉に、反射的にサタナエルの顔を見る。
あたしを見つめるサタナエルの
顔はいびつにゆがんでいた。
『私は慈悲深い──そう、奴らは貴様等人間の言葉に例えれば、まだ“虫の息”というや
つだからな』
 サタナエルはそう言うと、高らかに笑いだした。

 慈悲なんかじゃない。こいつは少しでもガーネットたちの苦痛を長引かせるために、
わざと彼女たちを生かしてるんだ!

 『サタナエル……あんたはッ!!』

 あたしの全身を、かつて感じたことのないほどの怒りが駆け抜けた。
『隣さん、落ち着いて!』

 リセルの制止を背中で受けるが、もう止まらない!


 ── うっ ──

『え?』
 あたまの中に声が響いた。

 ── ここ…は? ──

 身体中をかけめぐっていた怒りが、引き潮のように去っていく。“黒き翼を”はばたか
せ、サタナエルと距離をとる。
 あたしの豹変ぶりに、サタナエルは黙ったまま事の成り行きを見守っている。
『この声……トロンなの?』
       
 ── リン? ボクはいったい…… ──

『くわしい話しはあと! トロン、サタナエルを斃したいの、力を貸して!!』

 ── サタ…ナ…エル?………サタナエルッ!! ──

 混濁した意識がつながったのか、激情にかられたトロンの動きに、あたしの身体が勝手
に動き出した。
『きゃああああッ!? ちょ、ちょっとトロン、タイム! 落ち着いて!!』
 いきなり奇妙な動きをはじめたあたしを見て怪訝そうに見ていたサタナエルや使徒たちが
後退をはじめる。

── うわっ!? か、身体が動かない、なんで? ──

『だから、いま説明するって! あんたがシステムダウンしちゃったんで、店長さんにた
のんでライドシステムを使わせてもらったの』

── ライドシステム、そうか、だから…… ──

 ようやくトロンは現状を把握してくれたみたいだった。急に身体の自由がきくようにな
った。

『ライドオンしたまではよかったけど、なんか身体が重いのよ。サタナエルのヤツはめち
ゃくちゃ強いし、それに、ガーネットたちも……』
 あたしはそう言いながらもう一度下を見た。トロンの息を呑む気配を感じた。
「いいや、一ノ瀬くん。きみたちはまだ、完全にライドオンをしていないんだ」
 店内に備えられたカメラで逐一現状を見ていたのだろう。店長さんの声が耳朶を打つ。
『ど、どういうことなんですか、それ?』
「システムダウンした神姫に、強制的にライドオンするなんてケースは前例がないんだ。
きみにどんなリスクが起こるかわからない以上、トロンくんが再起動するまで無茶はでき
なくてね」
『じゃあ、いままでのって……』
「一ノ瀬くんが特訓のためにネイキッドを動かしていたろう? あれと同じだ」

 すっぱりとそう言いきる店長さん。まっさらなネイキッドはあたしの思いどおりに動い
てくれたけど、この身体はトロンのものだ。あいつのくせが染み着いている。しかも、か
んじんのトロンは寝たまま……

                あはは、そりゃ身体が重いわけだ。

 いままでの苦労は何だったの? と自問自答していると、あたしの気持ちに微塵も気
づいてない店長さんから通信が入る。
「ではこれから全システムを起動させる。用意はいいかい、二人とも!」
『は、はい! ……トロン?』

── わかってる、いこう、リン! ──

 あたしの問いかけに、トロンは間髪入れずに答えてくれた。
『店長さん、お願いします!』
「わかった、ライドシステム……ON!」

 店長さんの言葉が終わった瞬間、あたしのあたまに──ううん、身体中に何かが
流れ込んできた。

                  あたしの中にトロンが……


                 ── ボクの中にリンが ──

 意識と肉体の融合……いまあたしたちは、ほんとうの意味で一つになった。

 全身を覆っていた薄い箔がはがれ落ちるような感覚。あたしの肌は、場に満ちた殺気を
びりびりと感じ取っていた。

             そう、生身の身体のときに感じていたあの感触……

『これが、ライドオン……』
 握りしめた拳を見つめていると、悲しみに彩られた声が耳を打った。
「一ノ瀬さん」
「せんぱい、ガーネットを……」
『だいじょうぶ、あたしたちに任せて!』
 マイク越しに聞こえる美佐緒たちの声に、あたしは両の拳を打ちならし即答する。
『リンさま…』
 もうしわけなさそうなルーシィ。あの娘の声に反応するように、あたしの身体は勝手に
動いた。
『だいじょうぶだよルゥ、あとはボクたちがなんとかするからさ』
『トロンちゃん!?』
 その口調からトロンだと察したのだろう。ルーシィの声は、安堵のためかかすかに震える。
『ふん、いつまでもくだらん戯れ言を……いい加減に覚悟を決め……う!?』
 吐き捨てるようにサタナエルはつぶやくが、あたしと目が合うや、残りの言葉を飲み込ん
でしまう。
 あたしはゆっくりと、サタナエルを指さす。

『よぉく見ておきなさい、サタナエル。あんたのいう“ガラクタ”の底力ってやつをねッ!』


        あたしはそう叫ぶと同時に、サタナエルめがけて突き進んだ。


                      トロンとともに。

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武装神姫 クロスロード 第42話

                  武装神姫 クロスロード

              第42話 「熾天使の来訪」


『<ライトニング・フェザ───ッ!>』

 反射的に振り仰ぐあたしの目に、美佐緒たちに襲いかかるガンポッドの上空から数知れ
ぬ光の羽根が雨のように降り注ぐ。
 光り輝く羽根が突き刺さると、ガンポッドは爆発を起こし、閃光が消えたあとにはあれ
ほどの数を誇ったガン・ポッドがすべて消えていた。
 カメラアイをズームさせると、吹き抜けになった天井すれすれのところに六枚の巨大な翼を
広げ、全身から淡い光を放つ一体の神姫が音もなく浮いていた。

『あの…神姫は……』

 その神姫を見た瞬間、あたしの脳裏に数年前の出来事が鮮明によみがっていた。

                          ※
 
「となりおねぇちゃ~ん。はやくはやくぅ!」
「ちょっとまってよ、美佐緒。いったいなんだっていうの?」 
 不機嫌さをかくそうともせず、乱暴に美佐緒の手を振り払うが当の本人はどこ吹く風だ。
「となりおねぇちゃんにあわせたい子がいるのぉ」
「会わせたい子? だれのことよ?」
「えへへ、……が~ねっとぉ!」
「ガーネット? 何よ、あんた犬でも飼ったの?」
「が~ねっとはいぬじゃないよぉ!」
 まゆを寄せながら尋ねると、美佐緒は不満そうに頬をふくらませる。 

                 まるで、焼き餅みたいね……
 
「わかったわよ。そのガーネットとかいうのに会えばいいんでしょう?」
「うん!」
 さっきとは、うって変わって満面の笑みを浮かべる美佐緒の頬をつつきながらあたしは
たずねた。
    
                 今は、つきたてのお餅みたい……

 美佐緒はうれしそうに笑うと、また両手であたしの手をひっぱりはじめた。 

 美佐緒にひっぱられるまま歩いていると、あたしたちは耳をふさぎたくなるほどの音を
立て、工事を続けるのビルの前を通りかかった。
「君たち、危ない!」
「へ?」
 いきなり背後からあびせかけられた大声に、おどろきあたしにしがみついている美佐緒。
その肩に手を置きながら振り返った。
 そこには、サラリーマン風のおじさんが顔をひきつらせながらあたしの頭の上を指さし
ている。
「となりおねぇちゃん、うえっ!」
 すぐとなりで美佐緒の悲鳴にも近い叫び声があがり、あたしはつられて空を見上げた。

                  あの黒いのって、なに?

 あたしたちめがけて一直線に落ちてくるソレが数本の鉄パイプだと気づいた瞬間、あた
しは反射的に美佐緒を押し倒し、その上に覆いかぶさっていた。
 路上にぶつかり音をたてる耳障りな金属音が止むと、あたしはかたく閉じていた目をそ
っとひらく。
 運がよかったのか、鉄パイプはあたしたちを避けるように落ちてきたみたいだった。
「美佐緒、だいじょうぶ? どこもケガしてない?」
 あたしは美佐緒の両肩をつかむと、軽くゆすってみた。
 はじめは焦点の合わなかった美佐緒の瞳が、ようやくあたしの姿を映しだすと、かすか
にうなずいた。
 美佐緒の無事に大きなため息をつこうとしたが、フと周りを見たとたん、あたしはでか
かったため息を飲み込んでしまった。
 目の前……ううん、周りに転がっていた鉄パイプは、どれもまっぷたつになって転がっ
ていた。
 異変に気づいた美佐緒としばらく顔を見合わせていたあたしは、ゆっくりと空を見上げ
た。

 そこには光り輝く六枚の翼を広げ、悠然と宙に浮かぶ人影があった。それはあたしたち
と比べてあまりにも小さかった。でも、あたしにはその人影の指先まではっきりと見えた。
「天使……」
 あたしの横で、美佐緒の惚けたような声が聞こえた。

               そう、その小さな人影はまさに天使だった。

 その人影が“神姫”と呼ばれる存在だったこと。そして、それがアーンヴァルという
天使型の神姫だとあたしが知ったのは、もう少し先のことだった……

                          ※

「隣ちゃん、聞こえるか?」
『ひゃっ!?』
 いきなり男の人の声が耳元で聞こえ、我に返ったあたしは空中で飛び上がった。
『この声………………まさか、須賀さんですか?』

 須賀 匠。そう、前にスーパーで出会ったアーンヴァル──リセルのマスター。

『どうして須賀さんがここに? というか、いまどこにいるんですか?』
「隣ちゃんのすぐそばさ」
『へ?』
 反射的に辺りを見回すが、須賀さんの姿はどこにも見えなかった。あたしの耳に
、須賀さんの含み笑いが木霊する。
「ごめんごめん。正確にはきみの本来の身体のそばだ。いま、この店の地下にいる」

            地下……ライドシステムが置かれた場所。

 まだ現状が把握できていないあたしは口を開くが、須賀さんに先手を打たれてしまう。
「くわしい話は後だ。まずはリセルと合流してサタナエルを……」
『ちょ、ちょっとまってください! じゃあ、あのアーンヴァルはリセルなんですか?』
 おもいっきり須賀さんの話の腰をへし折ってしまったけど、それはやむを得ないことだった。

      じゃあ、あの時、あたしと美佐緒を助けてくれたのはリセルだったの?

 おどろきとなつかしさ。様々な感情があたしの胸をよぎるが、感傷的になったのはほん
のつかの間、サタナエルのつぶやきがあたしを現実へと引き戻した。
『……生きていたのか、セラフ……』

                       セラフ?

 サタナエルの押し殺したようにようなつぶやきには、聞き覚えがあった。それは、以前
DO ITで姫宮先輩が話してくれた、アーンヴァルの名前……

『……隣さん』
 耳元でささやくように名を呼ばれ、おどろき振り返る。すぐそばに、はにかんだ笑みを
浮かべリセルがあたしと並び立つように浮いていた。
 あの左頬にある特徴的なほくろ。間違いなく目の前のアーンヴァルはあたしの知ってい
るリセルだった。
『え~と、あの……お怪我はありませんか?』
 無言で穴が開くほど見つめられ、リセルが困ったような顔で尋ねてきた。
『え? うん、なんとか……ていうか、あたしがわかるの?』
 端から見れば、いまのあたしはポニーテールにしたトロンにしか見えないはずだった。
『ええ、事情は店長さんから……』
「コングラッチレーション!!」
 場にそぐわない調子っぱずれの歓声が、リセルの声をさえぎる。声の主である片桐は、
感極まったといわんばかりにあたしたちを見上げている。
「いや~、素晴らしい! セラフ……まさか、あなたが生きていたとは、これはうれしい
誤算というやつでしたよ」
 片桐の態度に嘘偽りは感じなかった。まちがいなくあいつはリセルの無事を心から喜
んでいるみたいだった。ただ、それとは対照に、リセルの表情はみるみる曇っていく。  
「あなたが……あなたみたいな人がいたから、みんなが……」
 怒りのためだろうか、それ以上リセルの言葉は続かなかった。ただ握りしめた拳をふる
わせている。
 片桐は、そんなリセルを不思議そうに見上げている。
『隣さん、力を貸してください』
 前を向いたまま、リセルが話しかけてきた。
『それはこっちの台詞──でも……』
 リセルの問いに反射的に答えたけど、拭いきれない一抹の不安が語尾を小さくしていた。 
 あれだけの実力をほこったレスティーアたち四人を瞬時に倒してしまったサタナエル。

         あたしたち二人だけで、あのサタナエルを倒せるだろうか……

「せんぱい!」
 美佐緒の悲鳴にも近い金切り声に我に返る。目を覆わんばかりのビームの束が目の前に
迫っていた。
 反射的に目をふさぐが、いつまで待っても痛みはおろか熱さも感じない。
『え? リセルッ!?』
 恐る恐る目を開けると、目の前にリセルが立っていた。
四枚の翼が身体を覆うように前方に展開し、サタナエルのビームは翼の前でその動きを完
全に止めていた。
『そんな、あのビームを……』
 あたしのつぶやきが合図だといわんばかりに、四枚の翼が勢いよく開き、ビームは軌道を
反らされ新しい標的である天井や壁に光る牙を突き立てる。

「あのアーンヴァル……」
 下から、どこか放心したような美佐緒の声が聞こえてくる。

       ようやく美佐緒も思いだしたみたいだ。あたしたちの命の恩人を……

『……天使(セラフ)』
 あの時と同じセリフがあたしの耳朶を打つ。でもそれをつぶやいたのは美佐緒ではなか
った。
『ルーシィ?』
 手にしたビームライフルを力いっぱい抱きしめながら、ルーシィはリセルの姿に釘付け
だった。
『隣さん!』
 リセルは真っ正面からあたしの目を見ていた。あたしは無言でうなずいた。
『美佐緒、先輩、早く地下室に!』
 あたしの声に、姫宮先輩は美佐緒をつれてライドシステムのある地下室へと向かう。
 入り口で二人を迎え入れる須賀さんの姿を目にし、安堵のため息がでた。

『……行くよ、リセル!』
『はい!』

 あたしたちは、同時にサタナエルめがけて飛翔した。

    迷っていても仕方がない、いまはあたしにできることを全力でするだけ!

 そう思いながらも、あたしは無意識のうちにつぶやいていた。




                『トロン、あんたがいてくれたら……』

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いまさらですが……

今日は1月12日ですか……。
タイトルにも書きましたが、今更感はハンパないのですがケジメとしてまずは一発いきましょう!





新年あけましておめでとうございます!




おひさしぶりでございます。
前回の記事から3カ月以上経過ですか……ずいぶんと放置したものですね(汗)。

じつは去年の暮れから「ハーメルン」という小説投稿サイトに「ガンダムビルドファイターズ」の二次創作を投稿しはじめまして、新年の挨拶やブログ開設3周年の記事を書き忘れるほどに、そちらに掛りきりという毎日でした。

予定では年内で連載を終了し、年明けからこちらの活動を再開を……と思っていましたが、案の定というか現在も連載中というありさまです。
そんな折、先日ひさしぶりにマイブログをのぞいたら、いまだに当ブログを見に来て下さる方のおかげで来訪者数が10000を超えておりました。

いちまん! 自分としてはこの数字に達するのはまだ先のことだろうと思っておりましたので、喜びもひとしおです。
最近は更新も滞り気味のこのブログを見に来て下さる方々に、この場を借りてお礼いたします。

ありがとうございます。


さて、ひさしぶりにブログを更新しましたし神姫SSでも、と思いましたが、最近の記事は文字(SS)ばかりなんですよね。
新年最初の記事でこれは味気無いので、少々趣向を変えてみます。

前述のハーメルンは小説のほかに「挿絵」を投稿することができるという、おもしろい機能をもっています。
これから紹介しますのは、挿絵として投稿した作中で活躍するガンプラたちです。小説自体の内容に関して知ってる方は皆無でしょうから、単純に姿形をお楽しみください。





阿修羅01

以前こちらで紹介したことがありますが、まずは『阿修羅』。

阿修羅02

手持ちの武器やバルカンのような内蔵火器を一切持たず、3対6本の剛腕を使った近接格闘を好む。

阿修羅03

主人公のライバルが使い、作中で最強のガンプラとして君臨します。





gero01.jpg
お次はコイツ『ハイゴックN』

gero02.jpg
もとは完全に趣味で作ったモノですが、そのままお蔵入りももったいないので採用しました。

gero03.jpg
作中では咬ませ犬っぷりを如何なく発揮、華々しく散ってくれました(笑)。




aigisu01.jpg
さて、ここからは本邦初公開。
プラモ化されたMSのシールドは、すべて集めたと豪語する主人公の親友のガンプラ『アイギス』。

aigisu02.jpg
両肩とバックパックにサブアームを備え、両腕も使えば最大6種類のシールドを装備できる。

aigisu03.jpg
無類の防御力の高さを誇るガンプラだが、シールドを換装することによって機動性や攻撃力を上げることができ、汎用性の高さもピカイチである。





gaza01.jpg
続いてはガザ・Cをこよなく愛する、レギュラーキャラその一のガンプラ『ガザ・ノワール』

gaza02.jpg
左胸にもナックル・バスターを追加、両腕のバインダーにビームガンを備え、MS形態時でもガザ・C2機分の火力を誇る。

gaza03.jpg
さらにMA形態ではバックパックのギガ・キャノンを含めた一斉射撃ができ、作中でもトップクラスの火力を誇る。





oo01.jpg
続きましては、ヒロインに異常な執着を持つ幼馴染(♀)が操る異色のガンプラ『OO-F』(ダブルオー・フィメール)。

oo02.jpg
武装はソードタイプに変化する専用ビームガンと、ビームサーベルのみという軽装だが、小型軽量の機体に加え推進系を強化しているため、機動性に優れる。

oo03.jpg
チャームポイントはツインテール(笑)。





hq01.jpg
さて、取を務めますは主人公のガンプラ『Hi-νガンダムHQ』です。

hq02.jpg
最大の特徴はフィンファンネルを廃し、3種類、計13基ものオリジナルファンネルを搭載していること。

hq03.jpg
複数のファンネルを搭載したためのデッドウェイトを避けるため、下半身をOガンダムの物と交換し、RX-78を彷彿とさせる塗装を施しているため、ベースのHi-νガンダムとは異なった印象を見る者に与える。




さて、駆け足ではありますが、ここらへんで紹介を終わりにしたいと思います。

現在投稿中のSSでは、世界大会での優勝を目指すわけでもなく、とある町の片隅にある鄙びた玩具屋で、主人公たちは己の分身でもあるガンプラたちと日々ガンプラバトルに勤しんでおります。


ブログの完全復帰はもう少し先になりそうですが、去年よりはもう少し更新頻度を上げようとお思います。



最後になりましたが、今年もよろしくお願いいたします。





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武装神姫 クロスロード 第41話

                武装神姫 クロスロード

                  第41話 「猛攻」

 あたしたちは飛翔し、サタナエルと対峙する。
 サタナエルは、左右を生き残った六体の使徒たちに守られるように悠然と宙に浮いてい
た。
 目指す敵は目の前! ほんとうならすぐにでも攻撃に転じるべきだったけど、改めて相
対したサタナエルの圧倒的な威圧感に気をされ、あたしたちは誰一人動けなかった。
『……奴は、何処にいる』
 どうしたものかと考え込んでいると、うなるようなつぶやきが聞こえてきた。
 おどろき振り向くと、レスティーアが左右に鋭い視線を送っている。
『……何処だ、アイギス!』
 ようやくあたしは、サタナエルを護衛する使徒たちの中にレスティーアの仇敵であるア
イギスの姿がないことに気がついた。
 いつの間にか、ひとり非常口の前まで移動している片桐のそばにも見あたらなかった。
「アイギスでしたらここにはいませんよ」
 回答は下からもたらされた。片桐はニヤケた笑みを浮かべながらあたしたちを見上げて
いる。
「彼女には別の用を頼んでいましてね……まさかここまで手間取るとは夢にも思わなかった
のですよ」
 いかにも人を喰ったような片桐の態度に、すぐ横からレスティーアの歯ぎしりの音が聞こ
えてきた。
「落ち着いて、レスティーア」
 いまにも片桐に飛びかからんとしていたレスティーアだったけど、姫宮先輩の声が聞こ
えるやその動きがぴたりと止まった。
「あなたの悔しさ、怒りは私にもよくわかる……でもね、あなたがここで私怨を晴らすた
めだけに独断専行を行えば、半年前のあの悲劇を繰り返すだけなのよ?」
 姫宮先輩の声音はどこまでも静かだったけど、それを耳にするやレスティーアは雷に打
たれたように硬直してしまう。
『姫……』
「あなたはもう、一人ではないの」
 先輩の声に、レスティーアはハッと顔を上げあたりを見回す。あたしたちと目が合うと
レスティーアはかすかにはにかんだような笑みを浮かべたが、すぐにいつもの厳しい表情
になるやサタナエルをにらみつける。
『さってと……』
 内心ホッとしながら、あたしは直面した難題を解決すべくあたまをめぐらせはじめた。
『まずは使徒たちを片づけるのが先決でござろうな』
 考えてることは同じみたいだった。ガーネットのつぶやきに、あたしは無言でうなずい
た。
『……その必要はない』
 荘厳な響きを込めた声に前を見る。サタナエルは左右に目配せしながら首を振った。左
右に散った使徒たちが、音もなく後退を始める。
『どういうつもり?』
『言ったとおりだ。茶番はもう終わり……貴様等の相手など私ひとりで充分』
 サタナエルはゆっくりと前へ進む。バイザー越しに見える瞳には憎悪の炎がゆらめいて
いる。
『まずは貴様等から』
 サタナエルがレスティーアたちを順に見ながら押し殺すようにつぶやく。
『そして──最後に貴様だ!』
 サタナエルは真っ正面からあたしを見据えると、吐き捨てるように言い放った。
『どうやら余計な“モノ”が混じっているようだが関係ない! 今度こそ欠片も残さず消
し去ってくれる。』
 “モノ”扱いされ、カッとなったあたしだったけど、背中から聞こえたレスティーアの
声になんとか踏みとどまる。
『欠片も残さず消えるのはきさまの方だ!』
 サタナエルめがけて、三条のビームが突き進む。一瞬おくれてもう一条のビームの束が
サタナエルに吸い込まれていく。
『……<エデン>』
 必殺の一撃になるかと思われたレスティーアとリベルターの攻撃。でも、それは瞬時に
展開されたフィールドにより、いとも簡単に弾かれてしまった。
『ぉおおおおおッ! ぺィイイイン ナッコォオオオオオッ!!』
 呆気にとられ硬直してしまったレスティーアたちの横をすり抜け、リューネが雄叫びと
ともにサタナエルめがけて殴りかかった。
『なっ!?』
 サタナエルの頬めがけて叩き込まれるはずだったリューネの剛拳も、やはりフィールド
の前にはばまれサタナエルまでとどかない。
『やはりあのフィールドをなんとかせねば、こちらの攻撃は利かんようでござるな』
 さっき自分の必殺剣がフィールドの前に無力と知ったガーネットが、冷静にサタナエル
の能力を分析しながらつぶやく。
『何を悠長なことを! このままでは無駄に時間に浪費するだけでしてよ?』
 なおもフィールド越しにサタナエルを殴り続けていたリューネが血相変えてガーネットに
噛みつく。
『なぁに、時間は取らせんさ』
 鬱陶しそうにリューネをちらりと見ながら、サタナエルが憮然としながら言い放つと同
時に、サタナエルの背後で爆発が起きる。
 それが巨大なブースターから放たれた光球だと気づいた時には、サタナエルの巨体が
急上昇をはじめた。
 呆気にとられているあたしたちから距離をとると、サタナエルは急制動をかけその場で
停止した。
 サタナエルの全身を覆っていたフィールドが音もなく消える。
『今よっ!』
 我に返ったあたしが叫ぶと、みんな四方からサタナエルを攻撃すべく一斉に動き出した。
『ルーシィは美佐緒たちを守って!』
 どうしていいかわからず、おろおろとあたりを見回していたルーシィに声をかける。
 ようやく自分が何をすべきか気づいたルーシィは、ビームライフルを肩に担ぐと一目散
に走りはじめた。
『<フェザー>』
 サタナエルがささやくようにつぶやくと、翼状のパーツの一部が大きく開いた。その奥
に見える小さな影がせり出し、射出体勢に入る。
『……ガンポッド』
 あたしの横で、レスティーアがうめくようにつぶやいたのが合図だったかのように、ガ
ンポッドは一斉に射出された。
 我に返ったあたしたちは、弾かれるように左右に散った。レスティーアとリベルター
は果敢に狙撃をはじめるが、ガンポッドの数はざっと見ても五十はくだらない。
 数基のガンポッドがビームの光の中に消えたが、まさに「焼け石に水」状態だった。
『くっ……何ッ!?』
 回避運動を試みながら、なおも狙撃を続けるレスティーアに数条のビームが襲いかかる
が、強化腕の片方を失いながら、かろうじて不意打ちをかわす。
 内心胸をなで下ろしながら視線をめぐらせると、加虐的な笑みを浮かべたサタナエルが
こっちを見ていた。その巨躯に収められた砲口から光が溢れている。
『来るでござる!』
 ガーネットの叫びと同時に、数条のビームがあたしたちめがけて放たれた。
 どちらか片方だけなら、まだなんとかなったかもしれない。でもガンポットとビーム砲、
この両方を同時にかわす術はあたしたちにはなかった。
『ぐっ!』
『きゃああああ!』
 レスティーアとリベルターは飛来するガンポッドをかろうじてかわすも、ビームの直撃
を受けてしまう。
『がっ!』
『ああ!?』
 ガーネットとリューネはビームをかわすことには成功したけど、ガンポッドの四方から
攻撃にその身をさらしてしまう。
『みんなッ!!』
 身に纏っていた武装をまき散らし、白煙を全身からたなびかせながらリューネたち四人
は力なく落ちていく。
 あわててみんなのあとを追おうとしたが、背後からせまる無機質な殺気に反射的に振り
返る。目の前にガンポッドが迫っていた。
 でも、なぜかガンポッドの群は目と鼻の先でガンポッドは動きを止めてしまう。
『なんのつもりよ!』
 音もなく宙に浮くガンポッド越しに、無言であたしを見ているサタナエルに誰何する。
『言ったはずだ、貴様は楽に殺さんとな……今、おもしろい考えが浮かんだのだ』
 サタナエルは重々しくつぶやくと、あたしを取り囲んでいたガンポッドが一斉に動き出
した。
 襲いかかるガンポッドの群、反射的に身構えるが、ガンポッドはあたしを避けるように
動くと猛スピードで背後に流れ去っていく。
『己の非力さを呪い絶望に身をよじれ──貴様を破壊するのはその後だ』
 抑揚のないサタナエルのつぶやきに、彼女のねらいがなんなのかあたしは気がついた。
『美佐緒、逃げて!』
 ガンポッドはくいと鎌首をもたげ、獲物をねらう蛇のような動きで背後の美佐緒たちに
襲いかかる。
いち早く気づいた姫宮先輩が美佐緒の手を取り安全な場所に避難させようと動きだし、
その足下ではルーシィが懸命にガンポッドを打ち落とそうとしていた。
 あたしも必死に後を追うが、ガンポッドとの距離は一向に縮まらない。

                 だめだ、間に合わない!


           『<ライトニング・フェザ───────ッ!>』



 心臓を鷲掴みにされたような痛みが胸を走る。その時、絶望が胸を覆い顔を伏せた瞬間、
凛とした声が響き渡った。

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