神姫者の巣

神姫好きの、また~りとしたブログ

ぼくがかんがえた わるいしんき ④

……そう、ゆっくりと。

……力を抜いて。

……かさぶたを剥がすように……。




ふんっ!!




……よし、なんとか剥がれ……あ?

と、これは失礼しました。つい我を忘れて作業に没頭しておりまして(汗)。


「傀儡師型神姫を世に送り出そうプロジェクト」(?)も、今回で四回目を迎えました。

前の記事からはや数日が過ぎましたが、何をしてたのかと申しますと……。

CIMG1504.jpg

☝こんなものを作ってました。
例によってプラ棒で枠を作り、グリーンスタッフを延ばしたものです。
前回よりもさらに硬化させてから使用し、いただいたコメントを参考にメンタムを塗って作業しました。
その甲斐あってか、形状の割には抜けがよかったようです。

コメントで色々アドバイスしてくださったみなさん、ありがとうございます!

CIMG1506.jpg

抜いたパーツですが、100均で買ったしゃもじのっけます。
今回はこのパーツが六個も必要でしたので、ここ数日はこの作業の繰り返しでした。

で、ようやく数をがそろったパーツをあるていど形を整え、ことに完成していたショルダーアーマーに取り付けて……。

CIMG1550.jpg

ようやく完成です!

もちろん細部の加工はこれからですが、全体像としてはこんな感じになります。

CIMG1535.jpg

CIMG1538.jpg

下のパーツをわざわざしゃもじにのせて硬化させたのは、柄の部分の形状を利用して曲面を作るためでした(角度が微妙なため、分かりづらいかもしれませんが……)。

CIMG1543.jpg

この画像を見て「こんなアーマーが役に立つのか?」と思ったあなた……大正解です!!

ええ、はっきり申し上げて、ただの飾りです。


         偉い人にはわからんのですよッ!
                                  ※名もなきジオン兵の言葉より抜粋


まあ、このアーマーに求めたものは実用性ではなくロマンですので、これで良しなのです(笑)。


拙い技術の産物ではありますが、やはり形になると感動もひとしおです。
しばらくの間、ニヤニヤしながらデジカメで撮影をしてたのですが、ここでハプニングが!

CIMG1541.jpg

ショルダーアーマーの重さに耐えかねたのか、画像のように腕がみるみるずり落ちすっぽ抜けました。
しかも、唖然としているうちに反対側に全重量がかかり、あっという間に本体も作業机から転がり落ちるという悲劇が。


オーマイガッ!!


幸い机の高さが低かったのと、厚手のカーペットを敷いてあったせいか(四肢は飛び散ってましたが)めだった損傷はありませんでした。

あ~びっくりした。

両肩のアーマーとも、総グリーンスタッフ製。かなりの重量がかかるとは思ってましたが、ここまでとは……。
やはりここは、以前ASUR・Aさんからいただいたアドバイスに従い、素体とタウバーンの接続部分を強化しないとダメなようです。

CIMG1572.jpg

ちなみに、改修前の接続部分はこんなカンジでした
リューターで穴を開け、そこにグリーンスタッフを詰め込み太腿の接続ピンを押し付けただけという超いい加減仕様

グリーンスタッフの弾力性に期待してたのですが、やはり甘かったようです(涙)。

腕の受け部分はガンプラに付属していたポリキャップが使えそうですが、太腿の軸に合うものはサイズ的にもなかなか見当たりません。
現状の絲を見てもらえれば分かりますが、脚にはかなり重量がかかるため強度も大事です。

CIMG1568.jpg

で、今回太腿の軸受には、HOBBY BASEの「関節技」を使いました。

CIMG1575.jpg

リューターを使い、さらに穴を広げ……。

CIMG1577.jpg

穴の中にジョイントを入れ、黒瞬着で固定して完成です!
腕の方も、関節技をポリキャップに置き換えただけですが同じ工程で作業しました。

これで少しは強度もアップしてくれるでしょう。


思わぬトラブルでしたが、後々のことを考えると必要な作業だったのかもしれません。
この後、もっと上半身に負荷がかかりますからね……。




さて、今のところまったく傀儡師をモチーフにした神姫には見えない絲ですが、問題はありません。

いつもなら、ここから名物「迷走祭り」に突入というところですが、今回は絲を傀儡師に見せる品々をすでに用意してあります。

紹介いたしましょう……。

CIMG1552.jpg

「勝利の鍵」のみなさんです☝。


これらを使えば、絲は傀儡師らしく見えるはずです!







ええ、きっと……。







たぶん……。

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武装神姫 クロスロード 第19話

       
                  武装神姫クロスロード

                 第19話「一触即発!」

「よっと!」
 あたしは、軽快な動きで一段抜かしにエスカレーターを駆け降りると(よい子のみんな
は、ぜったいマネしちゃだめだよ?)姫宮先輩の目の前に華麗に着地してみせた。
 ほんとうなら、ポーズの一つもつけたかったけど身体もまだ本調子じゃないため、そこ
はグッとがまんした。
「一ノ瀬さん」
 あたしを見つめる先輩の瞳は、かすかにうるんでいた。
 それは、あたしに真実を知られたこと云々よりも、そのためにこれからあたしに降り懸
かる災厄を案じているように見えた。
「ごめんなさい、先輩。待ちきれなかったんで、話し、先に聞いちゃいました」
 おどけたように舌をだし、そう答えたけど、なるべく先輩とは目を合わせようとはしな
かった。
 それは、姫宮先輩を悲しませてしまったことへの罪悪感のせいだったと思う。
「隣ちゃん、ほんとうにいいのかい? きみには何も関係のないことなんだよ?」
 天堂さんも先輩同様、あたしを案じて言ってくれたのはわかっていた。でも、なぜかわ
からないけど、あたしはムキになって反論していた。
「べつにそんなこと天堂さんに心配してもらう必要なんてありません! それに、あたし
たちが本気になれば……」
『……足手まとい以外の何になるというのですの?』
「へ? リューネ?」
 天堂さんの肩の上で、腕を組みながら憮然と言い放つリューネ。
『わたくしも、トロンさんと使徒の戦いを拝見させてもらいましたが……最低の内容でし
たわ』
『……最低?』
 リューネの暴言への返答は、肩から下げたバッグから聞こえた。
 地の底でうめく、亡者のような声でつぶやくトロンが、金色の瞳に憤怒の炎を宿しリュ
ーネをにらみつけていた。
『ええ、最低も最低、“ 最低のモンドセレクション金賞受賞”といったところですわ!』

                 意味わかんねーよ!
  
 とりあえず、胸の内でいっぱつツッコんで、あたしは口を開いた。
「それって、言い過ぎじゃない?」
『言い過ぎ? わたくしは、ただ事実を述べただけでしてよ?』
 まるで悪びれた様子もなく、言い切るリューネの眼前に音もなくトロンが降り立つ。
『じゃあ、ボクがどれぐらい最低か試してみる?』
 金色の瞳に怒りの業火を宿し、トロンが唸るようにつぶやく。リューネは、そんなトロ
ンを冷ややかな目で見ていたが、口元に笑みを浮かべるときびすを返してシュミレーター
のある二階へと歩いていく。
 あたしや天堂さんは、二人の剣幕に呆気にとられ制止することも忘れていたが、トロン
の行く手を遮るように蒼い影が立ちふさがった。
『なんか用、レスP?』
『わざわざ言わねばならぬほど、きさまも間抜けではあるまい?』

 止めに入ってくれたのはうれしんだけど、レスティーア。それじゃ逆効果だって……

 これじゃあ、仲裁どころかかえって火に油を注いでいるだけだ! 内心頭を抱えている
と、今度こそほんとうに救いの手がさしのべられた。
「なるほど、トロンくんの気持ちもよくわかるがね……」
 一同の視線が集中し、少しはにかんだような笑みを見せる店長さん。ぐるりとあたした
ちを見回していたが、やがて店長さんの視線が一点で止まる。
「グリューネワルトくん」
『な、なんですの? あらたまって……』
 急にトーンの下がった声で名指しされたリューネが、思わず後ずさる。
「以前にも言ったはずだよ? この店では、一切の私闘は禁ずる、とね」
『わ、わたくしは、ただ……』
 不満そうに口を開いたリューネだったけど、店長さんと目が合うと、不満そうな顔をし
ながらも口を閉ざしてしまった。
 リューネの態度は、あたしたちやマスターである天堂さんに接していた時のような尊大
さは微塵も感じられなかった。
 リューネの豹変ぶりに、驚きながらも店長さんを見上げていると、少し照れたような顔
をしながら店長さんが話しけてきた。
「さあ、こんなところで立ち話もなんだ。場所を変えよう、飲み物でも……」
『ちょっと、待ったッ!!』
 強引にあたしたちを休憩所の方に連れていこうとした店長さんの試みは、不満を露わに
した声に頓挫してしまう。
 振り向いた視線の先に、腕を組んだまま憤懣やるかたないといった顔をしたトロンがあ
たしたちをねめつけている。
『たしかにここは店長さんの店かもしれない。でも、だからといってボクたちの戦いを止
める権利はないよ!』
 冷静に考えれば屁理屈以外の何物でもないのだが、トロンの剣幕にそのことについて言
及するものはあたしも含め皆無だった。店長さんは、トロンをみつめたまま何か思い悩ん
でいたようだったけど、やがて口を開いた。
「しかし、トロンくん。彼女は特別なんだ」
『?』
『……グリューネワルトは、使徒やエーアストと戦うために創られた神姫なのよ?』
 店長さんの肩に乗っていたリベルターが、ポツリとつぶやく。
「な、なんですって?」
 思いもしなかったリベルターの言葉。トロンも、声もなく店長さんたちを見上げている。
『リューネ……どうして仲間同士で戦わなければならないの?』
 妙に抑揚のない声でリューネに問いかけるリベルター。
『わたくしは、この小悪魔さんを仲間にしたつもりはなくてよ、リベルターさん?』
『リューネ、あなたは……』
 どこか人を小馬鹿にしたようなリューネの口調に、リベルターは拳を堅く握りしめる。
 あたしは理解した。リベルターの感情の起伏にとぼしい話し方は、いまにも爆発しそう
な感情を必死に抑えようとしていたんだ。
『ありがと、ギンちゃん。もういいよ』
『トロン!?』
 軽い口調とは裏腹にトロンの顔に覚悟の程をみたのか、リベルターはまだ何か言いたげ
だったけど諦めたようにうつむいてしまう。
『おい、トロン』
 レスティーアが次の言葉を紡ぐより早く、トロンは向き直る。
『レスPは、相手が自分より強いからといって、それでバトルをやめるのかい? 自分よ
り弱い相手としか──確実に勝てる相手としか戦わないのかい?』
 痛いところを突かれたレスティーアは、そのまま黙り込んでしまう。そのままふたりは
しばらくにらみあっていたけど、やがてレスティーアは大きく息を吐くと静かにきびすを
返した。
『店長どの、私からもお願いします。トロンとグリューネワルトの一戦を承諾してはいた
だけないでしょうか?』
「レスティーアくん!?」
『レスP!』
 思いもしない助け船に、店長さんは困惑を、トロンは対照的にパッと顔を輝かせる。
 しばらく、気まずい沈黙が場を覆っていたけど、やがて三つの視線があたしに向けられ
た。
「まったく! 今の今まで蚊帳の外だったくせに、いまごろになってあたしに何か用?」
 トロンたちの言い分はわかっていたけど、少しへそを曲げていたあたしは、とぼけてそ
っぽを向く。
 横を向いても、三つの視線はあたしから離れない。しばらくして、あたしは大きなため
を息をひとつついた。
「わかったわよ! 好きにすればいいでしょう!」
 うれしそうに破顔するトロンを横目で見ていたあたしは、釘を刺すべく口を開いた。
「ただし! いつもどおりにバトルはバーチャルでやること、いいわね?」
『バーチャル? 何をのんきなことを……』
 意外なことに、反論の声は落胆するトロンの横から聞こえてきた。ゆっくりと、声の主
に首をめぐらせる。
「何か不満でもあるわけ、リューネ?」
『隣さん、あなたはずいぶんと勘違いをされているようですわね?』
「どういう事?」
『あなたは、使徒たちとの戦いがはじまったら、彼女たちに「この戦い、バーチャルバト
ルでお願いします」、というつもりですの?』
「うっ! そ、それは…… 」
 リューネの物言いは、いちいち燗に障ったけど、言ってることは正論だ。
 腕を組み、冷ややかな声で尋ねてくるリューネに、あたしは二の句をつげなくなった。
どれくらい時間が過ぎただろうか? そのまま続くと思われた沈黙の静寂を破って、あ
たしはようやく口を開いた。
「……わかったわ」
「一ノ瀬さん!?」
 背中から聞こえた声にあたしは振り返った。
「ごめんなさい、姫宮先輩。でも、こうでもしないとトロンのヤツ納得できないみたいな
んです」
 あたしは、先輩に二の句を継がせまいと一気にまくしてると、深々と頭を下げた。
 どこか困惑したような先輩の気配。でも、姫宮先輩はもう何も言わなかった。
 あたしはそのまま前に向き直った。そこには、困ってような顔をした天堂さんがいた。
「天堂さん、勝手を言ってすみません。でも、あたしもトロンも覚悟の上なんです! こ
の戦い、受けてもらえませんか?」
 天堂さんは、しばらくあたしをみつめていたけど、無言のまま首を縦に振ってくれた。
 あたしは、ようやくまとまった話に内心ため息をつきながらトロンに向きなおった。
「あんたも、あそこまで言い切った以上、ハンパな戦いなんかしたらただじゃおかないわ
よ?」
『うん!』
 トロンをにらみつけながら、凄みをきかせてそう言い放ったけど、当の本人はうれしそ
うな顔をしただけだった。
 あたしは、トロンとルーシィを抱きかかえ、シュミレーターのある二階へと向かった。


                        ※


「トロン、店長さんたちがいってたけど、リューネはただ者じゃない。くれぐれも油断は
禁物よ?」
『おいっち、にぃ、さん、しぃ──わかってるって!』

           あいかわらず、緊迫感のカケラもないヤツ……

 ラジオ体操のリズムに乗りながら答えるトロン。その妙に浮かれた態度に、脊髄反射で
特大のため息がもれる。
「あのねえ……」
『確かに、事の起こりはグリューネワルトの態度に腹がたったからさ。彼女がボクより強
いのもわかっている』
 不安げなあたしの声をさえぎり、話し続けるトロン。〆である深呼吸を終えるとあたし
を見上げた。
『それがわかっていてもなお、ボクはグリューネワルトと戦いたい……怒りとは別にね。
リンなら、今のボクの気持ちわかるよね?』
 トロンはこの前の使徒との戦いで、苦戦を強いられた。そして、リューネはその使徒た
ちと戦うために創られた……トロンからしてみれば、心情的にもリューネとのバトルは避
けられないものなのだろう。
 あたしを真っ向からみつめるトロンの瞳には、もはや怒りの欠片すら見あたらなかった。
『じゃあ、行ってくる!』
 トロンは、あたしの返事も待たずきびすを返す。
『で、でも、絶対に無茶しちゃダメだよ? トロンちゃん!』
『OK!』
 心配そうなルーシィに背を向けたまま、トロンは軽く手を挙げる。
「ふう。 あの性格、いったい誰に似たのやら……」
 アクセスポッドに向かうトロン。その後ろ姿にあたしは誰にとも言うわけでもなく、ささ
やくようにつぶやく。

          『もちろん。世界でただ一人の、ボクのマスターにさ!』

               後ろを向いたまま、トロンは即答した。

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ぼくがかんがえた わるいしんき ③

「ぶぇっくしょん!!」


……し、失礼しました。
リューターの回転と共に部屋中に舞い飛ぶ削りカスや、ペーパー掛けのさい大量にでてくる粉塵に鼻を侵され、絶賛疑似花粉症状態のシロでございます。

まだ十月なのに……。



さて、製作日記の方も今回で第三回目でございます。前回の記事からあまり日も立ってませんが、さっそく作業の続きとまいりましょう。

前回コップに巻き付けたエポパテもようやく硬化したようです。

CIMG1509.jpg

まず、このままの歪な一枚板では味気なさすぎるので、デザインナイフで切り出し形を整えます。続いて、
オフロードのコースを思わせるような表面をペーパー掛けますがゼンゼン平坦にならない!

こりゃあ凹んだところを盛った方が早いな、と思い直し、さっそく穴埋めの準備をはじめました。

CIMG1515.jpg

今回穴埋めにはコレを使います。「リキッド・グリーンスタッフ」
私は、この手の作業にはウェーブの「黒瞬着」を使うことが多いのですが、柔軟性の高いグリーンスタッフに使った場合どうなるか分からないため☝のブツを使うことにしました。

この製品は、ゲームズワークショップ(以下GW)がミニチュアの製作や改造用に発売したものです。
メーカーは違いますが、GWのグリーンスタッフとの併用もできるようですし、黒瞬着よりは相性はいいでしょう。

もっとも、これを購入したのはかなり前のことでして、実は中身がどういう物なのか皆目分かりません(笑)。
さっそく蓋を開けてみましょう。

CIMG1516.jpg

中身をすくってみるとこんなモンがでてきました。
ふ~ん、「リキッド」などと書いてあるからもっと水っぽいものを想像してましたが、ペースト状なんですね。

なんか、緑色の「ごはんですよ」みたい……。


と、それはどうでもいいことですね(汗)。

CIMG1512.jpg

とりあえず、リキッド・グリーンスタッフをぺタぺタと塗り付けて……。

CIMG1528.jpg

硬化後にさっとペーパー掛けしてみました。
手に持って軽く曲げてみましたが、グリーンスタッフ同士の境目に亀裂などが入ること無いようです。
う~ん、リキッド・グリーンスタッフ、けっこう使えそうですね。グリーンスタッフを使った加工や補修には重宝しそうです。


さて、ようやく形になったこのパーツ、いったい何に使うといいますと……。

CIMG1530 - コピー

このように「ショルダーアーマー」として使いたかったんです。

これに……。

CIMG1532.jpg

ジャンク箱から発掘した、出自不明の謎パーツを使い本体に接着します。

CIMG1551.jpg

接着後の姿です……って、背景(こ汚い私の部屋)のせいで、ちょっと見ずらいですね、スミマセン。

これに先程のパーツを取り付けると。

CIMG1558.jpg

こんな感じになります。

CIMG1560.jpg

CIMG1562.jpg

どうでしょうか? 少しはソレっぽくみえますかね?

一連の記事を見て「なんでわざわざエポパテ使うの? プラ板で作りゃいいじゃん?」と思った方もいるかもしれませんが、この形状を見てもらえば理解してもらえると思います。
「ある程度厚みがあって」「曲線のあるパーツ」となると、プラ板で作るのは骨が折れそうなんですよね。
それに、この状態でもアーマー全体の半分ぐらいにしかなりませんし(笑)。


それでは、今回はこのあたりでお開きにしたいと思います。

よろしければ次回の製作日記にもお付き合いください。


では!

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ぼくがかんがえた わるいしんき ②

先日の台風26号、幸い関東在住にも関わらず我が家は被害なしで済みましたが、首都圏を中心にかなり猛威を振るったみたいですね。
ゲリラ豪雨に竜巻、そして10年に1度といわれた勢力を持つ台風の来襲。
ほんとうに最近の異常気象には驚かされます。この先どうなってしまうのでしょうか?


さて、前回の記事からはや数日が経過しましたが、例の神姫の改造は少しずつ進めていました。

CIMG1527.jpg

現状はこんな☝感じです。

CIMG1526.jpg

CIMG1525.jpg

とりあえず、両手足の取り付け作業が終わりました。
最初は、異様に細長い手足とイー姉さんの癒しフェイスにアンバランスさを感じてましたが、慣れのせいかあまり気にならなくなってきました。
いっそ顔はこのままでもいいかな?

ベースとなる本体に手を加えるのはこのくらいにしておいて、次の作業に移ろう……と思ったのですが、ここで問題が一つ発生しました。
ジャンクパーツの中に使えそうなものが無かったのです。
積みプラ山脈と化していたガンプラも調べてみましたが、やはりイメージに合うものが見当たりません。
休みに秋葉原まで足を延ばしましたが、けっきょく空振りでした。

どうしたものかと気分転換にガンプラのハウツー本をながめてたのですが、面白い記事に目が止まりました。
エポパテを板状にし、それを好みの形状に作り替えるというものです。
いつもなら「メンドクセー!」で終わりなんですが、なんかテンション上がってるせいかあまり苦に感じません。
さっそく挑戦してみることにしました。

私は普段、エポパテというとウェーブの軽量タイプを愛用しています。
乾燥時間が比較的短い、加工が容易、名前のとおり軽い等メリットが多いんですが、密度の低さから強度がイマイチという欠点もあります。
今回作りたいパーツは、比較的大きくなるので耐久性は重要です。万が一落として割れでもしたら、心まで割れそうですからね(笑)。

CIMG1316.jpg

で、代わりに用意したのがコレ。「グリーンスタッフ」という名のエポパテです。

CIMG1315.jpg

中身はこのように、主剤と硬化剤に分かれたものがとぐろを巻いて収められています。

CIMG1317.jpg

この二色に分かれたエポパテをコネコネしていると、☝のように名前のごとく緑色になります。

CIMG1502 - コピー

弾性にも富み、ある程度厚みがあっても画像のような真似をしても折れませんので、今回の作業にはうってつけかもしれません。

ここで話がそれますが、私が神姫と共に愛してやまないミニュチュアゲーム、ウォ―ハンマー40000。
このゲームの発売元であるゲームズワークショップは自社ブランドを展開しており、シタデルカラーの他に各種工具なども販売しています。
その中にはエポキシパテもあるのですが、ズバリその名は……。

CIMG1510.jpg
 
                 グリーンスタッフ!!

肝心の製品名が光に反射して見えずらいと思いますが、まったく同じ名前。
見た目も瓜二つですがこの二つのエポパテ、メーカーは違うみたいなんですよね。いったいどうなってるんでしょうか?

と、こんな事はみなさんにはどうでもいいことですよね? はは、すみません、話を戻します(汗)。


では作業を再開します。
プラ板に角材を貼り付け枠を作り、この上によく混ぜ合わせグリーンスタッフをのせてプラパイプでよ~く延ばします。

CIMG1508.jpg

よく均したはずなんですが、なんでしょうねぇ……この見事なデコボコっぷりは?
この時点で、やる気ゲージが急降下してきたのですが、とりあえず少し放置してから引きはがし作業開始!
ところが、ゆっくり剥がしたのですが、びろ~んと伸びて大失敗……しかもプラ板にちぎれたグリーンスタッフがこびりついてエライことになりました。すげぇショックです(画像を撮り忘れるぐらいに……)。

う~ん、プラ板には霧吹きでたっぷり水をふきかけたんですがねぇ……ほあい?

予想もしない結果に、しばらく不貞腐れてひっくりかえってましたが「もっと硬化させてからやればよくね?」と思いつき、一時間ほどたってから再チャレンジ。

慎重に剥がしてみると(やっぱり少しびろ~んと伸びましたが)、今度はなんとかうまくいきました。

CIMG1509.jpg

ひっぺがしたエポパテの板(もどき)を、プラコップの上に載せて今回の作業はとりあえず終了です。



う~ん、もう少しうまくいくと思ったんですがねぇ。
今回の製作も、はやくも前途多難な感じがしてきました(苦笑)。

それでは、次回の製作日記でまたお会いいたしましょう。

では!







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ぼくがかんがえた わるいしんき ①

さてさて、今回は久方ぶりの製作記事でございます。

それにしても、神姫関係の製作はひさしぶりだなぁ……。

ちょっと気になったので過去記事を調べてみたんですが、姫騎士型の「アネット」を作ったのが五月。
でもこれって、完成品を改修した記事なんですよね。

さらに遡ってみると、白狐型の「斬屹公主」の記事が三月末に……この手の作業は半年ぶりデスカ?
はは、さぼりすぎですね(汗)。


おほん! ま、まあ、思い直して先に進みましょう。


今回は、私のライフワークの一つ(そこまで大げさでも無いですが……)、悪逆神姫集団<狩るもの>のメンバーに挑戦です。


タイプは「傀儡師型」、名前「絲」です。
以前、斬屹公主の記事にチラリと名前だけでたのですが、ようやく製作にこぎつけました。

ではさっそく作業に入るとしましょう。

CIMG1282.jpg

まず用意しましたのはコチラ、「ROBOT魂 タウバーン」。
この独特のプロポーション、ひと目見た時から「コレ、神姫に使える!」と思い購入しました(笑)。
今回は、このタウバーンをベースに使いたいとおもいます(ま、手足だけですが……)。

CIMG1283.jpg

それにしてもこのタウバーン、見れば見るほど奇抜なデザインですね。
本編は見たことないですが、パケッケージにデカデカと印刷されていた「颯爽登場 銀河美少年」
の文字にもインパクトを受けました。

「銀河美少年」って、主人公どんだけイケメンなんですかね?
とても興味をそそられます……。


おっと! また話が脱線してしまいました。話をもとにもどしましょうか。

とりあえず手足の移植からはじめようと思いまいたがこのタウバーン、妙に背が高いです。
レビューなどを見てみると、同じシリーズのMSが腹の辺りまでしかありませんでした。

CIMG1517.jpg

素体用に用意したイー姉さんと比べると、こんなに☝長いです。これだけ長いと改造は必至。
まずは脚部をつないでみないと全体のバランスがわかりません。

では、ここから手を加えるとしましょう。

CIMG1518 - コピー - コピー

少しでも足を短くみせるために、赤い枠線のところを超音波カッターやリューターを駆使してひたすら削ります。
いいかげんゲンナリしてきたところで、ようやく掘削作業も終了。さっそく脚を接続してみました。

CIMG1519.jpg

あれ? そんなに違和感ないな……。

これはちょっと意外でした。
並べた時はずいぶん長いと思った脚ですが、こうしてみるとそれほど差がないです。
じっさい比べてはいないですが、サバーカつけたストラーフぐらいですかね?

ではつぎの問題点にとりかかりましょうか。
☟の画像の膝の部分ですが、ジョイントの接続部分が前に張り出し過ぎてる気がします。

CIMG1521.jpg

このため、踵の形状と相まって非常にバランスが取りずらいです。
脳内イメージでは、絲はかなり上半身に武装が集中しそうなので、ここをなんとかしなければいけません。

CIMG1523.jpg

……で、過程は端折りますが作業終了(笑)。
ちょっと分かりずらいかもしれませんが、膝関節の位置を少し後ろに移動してみました。

CIMG1522.jpg

反対の脚との比較対象。
関節を中心に、太腿と脛のパーツが一直線になったのが分かると思います。
また、位置を変えたことにより脚の長さが少し短くなったようです。
これで安定性も少しは増すことでしょう。

続いては、腕に取り掛かりたいと思います……といっても、作業内容は脚部と同じです。
接続部分をリューターなどでひたすら削り、ピンアバイスで穴を開け、神姫の腕の軸を差し込んだだけです。

CIMG1524.jpg

片側だけですが、とりあえず組み上げ完了!
手足ともポロポロ落ちますが、どうせ完成したら瞬着で固定しちゃうんですから、気にしない気にしない(笑)。

ここまで一気に作業したもので、さすがに疲れました。
今日はこの辺にして、また明日からがんばります(また手足の削りをやるのか……)。

では!

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武装神姫 クロスロード 第18話

                   武装神姫 クロスロード

              第18話 「はじまりの乙女たち」


 どれぐらい時間が過ぎたのだろうか……いや、じっさいは、ほとんど時は進んでなかっ
たのかもしれない。

『ド…ウゾ』

 しばらくして、部屋の中から途切れ途切れの声が聞こえてきた。
 静かにドアを開け、中に入るように促す店長さん。あたしはおそるおそる部屋の中をの
ぞき込むが、部屋は薄暗い闇に包まれ、中の様子はわからなかった。
 あたしは探るように室内に足を踏み入れた。
 薄暗い部屋を囲むように、いったい何に使うのか見当もつかない様々な機械が設置され
ていた。色とりどりのランプが明滅し、かすかな駆動音を発している。そして、それらの器機
から無数のケーブルやパイプが中央の大きな作業机へと続いている。
 目を凝らすと、その机の上に形容しがたいほど歪み、破損した何かが置いてあった。さ
っきのケーブルの川は、その巨大な残骸のような物へと伸び、繋がっている。

 ぱっと見て、それがなんだかあたしにはまるでわからなかった。

 でも、何度も瞬きを繰り返しようやく暗さに目が慣れてくると、残骸の中央にうつむき、
まるで張りつけられたように固定された銀髪の人影があたしの網膜に飛び込んできた。
「し、神姫?」
 あたしのうめくようなつぶやきが聞こえたのか、こうべを垂れていた人影は身体を小さ
く震わすと、ゆっくりと顔を上げた。
「リベルター…」
 あたしのかすれ声に、目の前の人影はかすかに微笑む。
 全体的に薄汚れ、乱れた銀髪に顔の半分がかくれてよく見えなかったが、まちがいなく
目の前の存在はあたしの知るリベルターだった。
 あたしは背後を振り返った。そこには、銀髪のアーンヴァルが影のように立ち尽くして
いた。何かに耐えるように唇を噛みしめ、無言のまま作業机の“リベルター”を見つめた
ままで……

「こ、これっていったい…」
 あたしはようやく、乾ききったのどから絞り出すように声を出す。
 
 重苦しい空気が、狭い室内に充満する。トロンやルーシィも、いきなり突きつけられた
現実に戸惑っているのか、さっきから一言も発しようとしない。
 場の空気に耐えかね、あたしが口を開こうとすると、机上の“リベルター”が沈黙のし
じまを破った。
『スミマ…セン、ト…ナリサン。ワタシ…ノ…セイ…デ、トナ…リサン…マデ、マ…キコ
ンデシマ…ッテ…』
 一語一語発する度に、苦痛に顔をゆがめながら、もう一人の“リベルター”は話を続け
る。あまりの痛々しさに、あたしが話すのを止めようとすると、それより早く銀色の影が
机の上に飛び移る。
『もう止めて! あとは私が……』
 そう言って、ボロボロの銀髪の人影をだき抱えるリベルター。その瞳には言いようのな
い悲しみに彩られていた。
 リベルターに支えられたもう一人の“リベルター”は、その澄んだ碧色の瞳で眼前の瓜
二つの存在であるリベルターを見つめかすかにうなずくと、糸が切れたかのようにうつむ
いてしまう。
「これってどういうことなの、リベルター?」
 あたしの問いに、リベルターは寂しげな微笑を浮かべる。

『半年前にこの店で起こった事件も、隣さんを巻き込んでしまった今回の一件も、いいえ、
それ以前に起こった出来事も…』
 リベルターは、そこで話を止めると、トロンを真っ正面から見つめた。
『……元を正せば“私たち”が原因なんです』
 沈痛な面もちで、リベルターは話し始めた。

                        ※

 事の始まりは、世に武装神姫なる存在が現れる数年前まで遡った。
  当時、まだ“神姫”という名称さえなかった頃、この新型MMSの開発は多くのロボッ
ト、エレクトロニクス産業などを巻き込んだ一大プロジェクトに発展し、多くの企業がこ
ぞって参入した。

そして、各社は現在の神姫たちの原型とも呼べる、新型のMMSを開発した。
その中の一企業、メルヘン・メーカー(M・M)社は、ロボット開発においては後発の企業
であったが、今回のプロジェクトにかける情熱は並々ならぬものがあり、ついに五体の
新型MMSを完成させ、その実を結ぶこととなる。

「それが神姫ってこと?」
 神妙な面もちで尋ねるあたしに、リベルターが静かに首を振る。
『いいえ。“エーアスト”。それが彼女たちに与えられた名前でした』
 リベルターは、再び話し始める。

 だがエーアストたちは、試作体ゆえに性能のみを追求され、その結果、彼女たちの能力
は現在の神姫たちを凌駕するものであった。

『そして、それが彼女たちの悲劇の始まりだったんです』
リベルターの瞳が、悲しみに彩られる。

 当時のM・M社の技術開発室の職員、「片桐亮二」と呼ばれる男が、エーアストたちの
性能に心酔し、あろうことか完成直後のエーアストたちの強奪を企てたのだ。
 テストのためにオーナー登録していたエーアストたちは、すべてのテストが終了した時
点で登録を抹消されておりブランク状態になっていた。片桐はこの時をねらって行動を起
こした。

「それじゃ、その片桐とかいうヤツが、五体のエーアストを全部盗んじゃったってわけ?」
『いいえ、“リベルター”と“セラエノ”。二体のエーアストは、以前から片桐さんの行動
に不信感を抱いていた他の職員の機転で、オーナー登録の初期化を行っていなかった
んです。そして“私たち”は、なんとか片桐さんの暴挙を阻止しようとしました……』
「ちょ、ちょっと待ってリベルター!……どういうことなの? そのエーアストの名前っ
て……」
 あたしは唖然としながらつぶやき、目の前のリベルターを穴があくほど見つめた。リベ
ルターは複雑な表情を浮かべながらも、少しはにかむように微笑んだ。
『そうです。その“リベルター”と呼ばれたエーアストが“私たち”なんです』
 毅然と答えるリベルターだが、さっぱり要領を得ないあたしは、眼前の“リベルター”と
名乗るニ体の存在を返す返す見つめるだけだ。
 だいたい、彼女がそんな特別な存在にはどうしてもみえなかった。
『隣さんが信じられないもの無理はないかもしれません…でも、私と“リベルター”は、
同一の存在なんです』
 背後を振り向き、うつむいたまま身動きひとつしないもう一人の自分を見ながら、リべ
ルターはそう言いきった。
 どういうリアクションを起こしてよいものやら。口を開けたまま穴があくほど見つめる
あたしに、リベルターは少し困ったような顔になる。
 あたしの表情から、さらなる説明を求めているのを悟ったリベルターが口を開く。
『“リベルター”は、新型MMSの素体としてだけではなく、“多層人格構築機構”と呼ば
れる新技術、<エルギウス>の親機を内蔵していました。そしてエルギウスの子機を搭載
したした機体はその外観に関わらず、母体である“リべルター”の思考、経験、感情など
を共有した同一の存在となるのです』

 リベルターからシステムの説明を受けるが、あたしは半分も理解でなかった。
 激しい頭痛におそわれ眉間にしわ寄せていたあたしに代わって、トロンが話し出す。
『つまリ、ギンちゃん、キミは……』
 震える手でリベルターを指さすトロン。それを見てリべルターは力強くうなずく。
『ええ、私のここには……』
 そうつぶやき、リベルターはそっと自分の胸に手を重ねる。
『私には、神姫にとって生命の源ともいえるCSCはありません。私のここには、サタナ
エルとの戦いで唯一残ったエルギウスの子機が搭載されているんです』
 静かに話し終えるリベルター。

 ようやくあたしは合点がいった。初めてリベルターと出会ったときに感じた、不思議な
存在感の希薄さ。
 オリジナルの“リベルター”を前に“私たち”と言った言葉の意味。

 でも、あたしはふたりのリベルターを前に、何も言えなかった。しばらく、何ともいえ
ない沈黙が場を覆っていた。
「じ、じゃあ、今回あたしたちを襲ったのが、エーアストというわけなのね?」
 無言の間に耐えられなく発した問いだったけど、リベルターの答えはあたしの想像とは
まるで違っていた。
 現在、稼働状態にあるエーアストは、もう一体も存在しないという事実だった。
 “セラエノ”は破壊され、“リベルター”も逃亡を図った他のエーアストと相打ちという結果
で例の強奪事件は幕を下ろした。
 そして残った二体のエーアストも、その後片桐が性能テストと銘打った殴り込みにも近
いバトルのさい、その場に居合わせた神姫たちが力をあわせ、多大な犠牲と引き替えに彼
女たちを倒したという事だった。

「でも、あの晩あたしたちをおそったアレはいったい……」
「彼女たちは“使徒”だ」
「使徒?」
 リベルターの言葉を引き継いだ店長さんが淡々と話しだす。
「使徒は、片桐がエーアストたちを護衛する為に作り上げた神姫なんだ。定められた枠を
逸脱するほどの高性能の、ね」
「イリーガル…神姫」
 あたしは、つばをのみながら唸るようにつぶやいた。
 イリーガル神姫とは、一般に定められたレギュレーションを無視した違法改造をほどこ
された神姫のことだった。
 公式ルールに満足できなくなったオーナーが人目を避けて行う、ストリートバトルや闇
バトルといわれる非公式のゲーム……あたしも、イリーガル神姫を戦わせている噂は聞い
たことがあったけど、じっさい目にするのははじめてだった。
「で、でも、どうしてその片桐という人は、いまごろになって……」
「わからない。半年前に最後のエーアストと使徒たちがここで敗北した時にすべてが終わ
ったと思ったのだが……!?」
 あたしの質問に答えるというより、自問自答に近いつぶやきを発していた店長さんの身
体が、雷に打たれたかのように硬直する。
「どうしたんですか?」
 店長さんは何も答えず、ゆっくりと首を巡らせる。
『ア…ルイ…ハ』
『“私たち”が狙いなのかもしれません……』
 食い入るような店長さんの視線の先で、二人のリベルターが消え入るような声でつぶや
いた。

                          ※

「……一ノ瀬くん」
 ドアをくぐり抜けたあたしの背に、店長さんの声が投げかけられた。あたしは、呆然と
しながらも振り返った。
「心配しないでください。ただ、あたしが思っていたより話のスケールが大きかったせい
で、ちょっと頭が混乱しただけです」
 軽く疼くこめかみをもみほぐしながら苦笑するあたしに、店長さんはまゆをひそめる。
「ここまで話を聞いておいて、いまさら引き下がる気なんかありませんよ?」
「しかし……」
 つとめて明るくそう言うと、心配そうに口ごもる店長さんに背を向け、あたしは階下に
続くエスカレーターへと向かった。
 けれど、ステップに足をかけようとして、あたしの動きは止まってしまった。
「……天堂さん、姫宮先輩……」


  下からあたしを見上げる二人の表情は、背後に立つ店長さんと同じものだった。

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武装神姫 クロスロード 第17話

                   武装神姫 クロスロード

               第17話  「リベルター」 

「心外だなぁ、あたしの口からこんなセリフがでるわけないって思ってたわけ? レステ
ィーアは……」
『あっ、いや、そんなつもりは……』
 少し意地の悪い笑みを浮かべながら、めずらしく狼狽するレスティーアを見ていたが、
あたしはふと思い出したかのように美佐緒に話しかけた。
「ねぇ、美佐緒。姫宮先輩がせっかく持ってきてくれた花が枯れると困るから、ひとっ走
りいって活けてきてくれない?」
「えっ? はい……でも、このお部屋って花瓶が……」
 何か腑に落ちないといった表情を浮かべる美佐緒に、あたしは押しつけるように花束を
渡した。
「そんなの何でもかまわないって! じゃあ、お願いね? あっ、ルーシィも美佐緒を手
伝ってやって!」
『えっ、でも……』
『さ、ルーシィどの、行くでござる』
 あたしの真意に気づいてくれたのだろうか、ガーネットはかすかにうなずくと、不満そ
うな二人をながめながら連れだって病室を出ていった。
「……さてと、これで遠慮なく話ができますね」
「一ノ瀬さん……」
 晴れやかな笑みを浮かべ、笑いかけるあたしとは対照的に、姫宮先輩の表情は沈ん
でいた。あたしはあえて、それに気づかない振りをして話を続けた。
「ひょっとして、あの白い神姫は、半年前に起こった“ナイトメア”と何か関係があるんじゃ
ないですか?」
 淡々と話し続けるあたしの声に、レスティーアが跳ね上がるように顔を上げる。
『い、一ノ瀬どの、あなたは、あの“事件”を……』
 レスティーアの声は語尾がかすれて聞き取りづらかったけど、あたしは力強くうなずい
た。
「ええ、知っているわ。“ナイトメア”のことも……そして、あの事件に姫宮先輩とレステ
ィーアが関わっていたことも……」
 あたしの話を、黙って耳を傾けていた先輩たちの表情がみるみる曇っていくのを目の当
たりにして、あたしは自分の好奇心が先走りし、二人の心情に配慮するのを怠っていたこ
とにようやく気づいた。
 今度はあたしの声が尻つぼみになっていく。
「あっ! す、すいません。あたし……」
「ううん、いいの。もともと私たちが言い出したことだし、一ノ瀬さんが気にすることは
ないわ」
 姫宮先輩は、そう言いながら笑ってくれた。でも、すぐに口元に浮かんだ笑みは影を潜
めてしまう。
「でも、あなたはこの事件とは……」
「関係ならありますっ!」
 沈みがちな先輩の声は、あたしの反論の言葉に遮られる。姫宮先輩が驚いたように顔
をあげる。
「えっ?」
「あたしはもう巻き込まれています! だから、すべてを知りたいんです」
「一ノ瀬さん」
 あたしを見つめる先輩の瞳は、限りないほど悲しみに彩られていた。
 どれぐらいそんな状態が続いただろうか? 姫宮先輩ののどがかすかに動くと、唇が開
いた。
「たっただいまぁ~、って、あれ? どうしたんですか、せんぱい。そんなに怖い顔して?」
「なんでもないわよッ!」
 様々な花の香りとともに、部屋に戻ってきた美佐緒。あいつになんの罪もないのはわか
っているけど、あまりのタイミングの悪さにあたしは殺意すら覚えてしまった。
「ねぇねぇ、せんぱい。見てください、これ」
 うれしそうに活けた花を差し出す美佐緒。色とりどりの花が絶妙な配置で活けられた花
々の美しさに、あたしは一瞬怒りも忘れて見入ってしまったが、美佐緒の手元に目をやる
と、すぐに不機嫌になってしまった。
「ねぇ、美佐緒。これは……何?」
 あたしはふるえる指で一点を示す。
「何って、花瓶がなかったから代わりにと思って……せんぱい何を使ってもいいって言い
ましたよね?」


「……だからって、シビンに花を活けるなぁあああああッ!!」

                          ※

「ま、まあまあ、落ち着いて一ノ瀬さん」
 そう言いながら、姫宮先輩はあたしたちの間に割って入ってくる。
 自分が持ってきた花の末路を目の当たりにしながら、まだ美佐緒をかばおうとする先輩
に、「どんだけ女神属性なんだ、この人は?」などと思いながら、あたしは締め上げてい
た美佐緒の首から手を離した。
「ふう。……ねぇ、一ノ瀬さん」
 ようやくおさまった乱闘騒ぎに、先輩は小さく息をはくとあたしに話しかけてきた。
「けがが治ったら、DO ITに来て……」
 姫宮先輩は、一言つぶやくと席を立ち、入り口へと歩いて行く。
「えっ? ちょ、先輩?」
「その時、すべてを話すわ……お大事にね」
 あたしの問いかけになど耳に入っていないかのように、つぶやくと姫宮先輩の後姿がド
アの向こうに消えた。
「な、何なのよ、いったい……」
 何が起きたかまるで理解できず、呆気にとられた表情の美佐緒たちを背に、あたしは惚
けたようにつぶやいた。

                          ◆
 病室を出ると、いままで黙り込んでいたレスティーアが口を開いた。
『申し訳ありません姫。私の軽率な行いで……』
「気にしないで、あなたのせいではないわ」
 シュンと縮こまってしまったレスティーアを励ましていた私は、薄暗い廊下の奥に、壁
に背をつけわたしたちに手を振っている人影に気がついた。
「て、天堂さん?」
「いやあ、ひさしぶりだね。かおりちゃん」
 天堂さんは、頬をかきながらこちらに歩いてくる。
「ほんとうに……半年ぶりですね」
「そうだね。かおりちゃんも元気そうでなによりだ」
 はにかんだような笑みを浮かべる天堂さん。

            あの時と少しも変わってはいない……

「あら? でも、どうして天堂さんがここに? 知り合いの方がここに入院でもしている
のですか?」
 ふと思いつき口にすると、天堂さんは苦笑しながら私の背後を指さす。
「そこの病室に、ね」
すぐに、天堂さんの言わんとする意味を察した私は、慌てて背後を振り返る。
「そこって……天堂さん、あなた一ノ瀬さんと知り合いだったんですか?」
「まあね。といっても、知り合ってまだ数日だけど──いや、もっと前か……」
「?」
「あっ、な、何でもない、こっちの話しさ──それより、かおりちゃん……」
「えっ?」
 まだ考え込んでいた私は、ガラリと変わった天堂さんの口調に我に返った。顔を上げる
と、天堂さんはいつになく真剣な表情で私を見つめていた。
「かおりちゃん、隣ちゃんに事情を説明するつもりなのかい?」
「……聞いていたんですか?」
「うん」
 天堂さんの態度から、一ノ瀬さんが今回の一件に関わることを快く思っていないのは一
目瞭然だった。
『ですが、天堂どの。あなたはご存じないでしょうが、一ノ瀬どのの気性からいって、こ
れ以上隠し立てするのは、かえって逆効果に……』
 私をかばうように話し始めたレスティーアを、どこか悲し気な声がさえぎる。
『……そして、いたずらに犠牲を増やすことになる……あの時のように』
 いつの間にか天堂さんの肩に腰掛け話を続けるリューネを、レスティーアは驚いたよう
に見上げる。
『グリューネワルト!』
『おひさしぶりですわね、レスティーアさん』
 レスティーアに微笑みかけるリューネ。レスティーアの口元もかすかにほころぶが、す
ぐにその表情が厳しいものになる。
『いまのセリフ…どういう意味だ、グリューネワルト?』
『別に……言った通りの意味ですけど?』
 レスティーアの問いに、言葉少な目に答えるリューネ。そのすみれ色の瞳が、悲しみに
ゆらぐ。
『ただ、いらぬ犠牲を強いる必要はない、それだけのことですわ……ノインさんのように
……』
『黙れッ!!』
 絶叫にも似たレスティーアの叫びにリューネはハッとした顔になり、手で口元を覆う。
『その名を…口にするな』
 両の拳を握りしめ、おこりのように身体を震わせるレスティーア。その姿に、リューネ
も顔を伏せてしまう。
『……トロンの戦闘メモリーに残っていた映像から、一ノ瀬どのたちを襲ったのは、まず
“使徒”のはず。敵がやつらの生き残りなら……』
「……たしかに、相手が“使徒”なら、ぼくたちでもなんとかなるかもしれない」
 レスティーアの言葉を継いで、淡々と話を続ける天堂さん。
「でも、敵に“エーアスト”のような存在がいたら……そのときはどうするつもりだい?」
 レスティーアは驚愕の相を浮かべ、顔を上げる。
『もう、〈ナイン〉のみなさんは……いないのですよ?』
 顔を伏せたまま、リューネは床の一点を見つめながらつぶやいた。
                         ◆
             
「こんにちは!」
 慌ただしくスチール製の陳列棚に品物を並べる店長さんの背中に、あたしは元気いっぱ
いに話しかけた。
「い、一ノ瀬くん! けがの方は、もういいのかい?」
「ええ、もう、この通り!」
 おどろきながらあたしを見下ろす店長さんの目の前で、軽く正拳突きを放ってみせる。
 あたしのその姿に店長さんは微笑むが、すぐにその口元のダンディースマイルは影を潜
めてしまう。
 まあ、いくら元気に振る舞ってみても、あたしが病院にかつぎ込まれてから三日もたた
ずに現れたら、いくら店長さんだって怪訝に思うだろう。
 あたしたちの会話が聞こえたのか、棚の奥からリベルターが顔を出す。 
『隣さん! 身体の方は大丈夫なんですか?』
「うん!」
『で、でも……』
 店長さんと同様に、リベルターに浮かんだ笑顔は瞬時に消え、心配そうな表情になる。
「大丈夫だって! 自分の身体よ? 起きているべきか、寝ているべきか……それぐらい
の判断は自分でつけられるって!」
 つとめて明るく振る舞い、そう言いきるあたしを、リベルターは無言で見上げていた。
 本当のことをいうと、まだ痛みは残っていた。常識的には、まだ安静にしてなきゃいけ
ないのかもしれない。でも、あたしは過去の経験から、今は多少無理をしてでも起きてい
た方がけがの直りは早いと判断していた。

 そう思っての行動だったけど、リベルターの瞳に浮かんだ懐疑的な光に気づき、あたし
は内心苦笑いを浮かべていた。
「それに、いつまでもトロンのヤツを預けっぱなしにするわけにもいかないでしょう?」
 ようやくリベルターは、納得したような顔をする。
「で、トロンのヤツ……どうしてる?」
『あっ、はい。トロンはいま、メンテナンスルームで休んでいます』
『あ、あの、それでトロンちゃんの様子は……』
 バッグの中から顔だけだし、心配そうに問いかけるルーシィに店長さんが口を開く。
「トロンくんのことなら心配はいらない。修理はすべて終わっているからね」
 ホッとした顔で、胸をなで下ろすルーシィ。頭を撫でると、うれしそうにあたしを見上
げる。
「会って行くかい?」
「はいっ!」
 あたしは、店長さんに続いてメンテナンスルームのドアをくぐっていった。

                          ※ 

 修理用の作業台や、様々な工作機械。そして、大量のパーツがうず高く積まれた大きな
棚。メンテナンスルームのスペースは大半がこんな物に占領されていたが、部屋の隅の方
に修理を終えた神姫が休むベッド型のクレイドルが複数あり、その一番端にトロンの姿が
あった。
 トロンはベッドから身を起こし、無言で壁を見つめていた。
『トロンちゃん!』
 あたしは、そんなトロンに違和感を感じ足音を忍ばせて近づいていったが、がまんしき
れなかったのだろう。ルーシィはバッグの端に足をかけると、止める間もなくトロンめが
けてダイブを敢行した。
 自分めがけて飛来した白いカタマリに、さすがのトロンも目を白黒させている。
『エッ? うワッ!?  ル、ルゥ……どうしてここ二?』
 最初は訳が分からず戸惑っていたトロンだが、やがて自分にしがみつき嗚咽を上げて泣
き続けるルーシィの頭を撫で始めた。
「どう、トロン。身体の調子は?」
『リン!?』
 片手を上げてベッドに近づくあたしに気づき、トロンはハッとして顔を上げるが、なぜ
か、すぐにうつむいてしまった。
「どうしたのよ? まだ、どっか具合が悪いの?」
 あたしの問いに、トロンは小さくかぶりを振った。
 気まずい沈黙が室内を包んだが、しばらくすると、トロンは下を向いたままつぶやいた。
『……怒ってル?』
 消え入りそうなかすかなつぶやき。あたしはその言葉の意味を瞬時に理解していた。

      きっとトロンは、あの夜のバトルのことを言っているんだろう……

「そうね、むかっ腹はたってるかな?」
 あたしの返事に、トロンの身体がかすかに震えた。
 あたしはトロンを両手で包み込むように抱き上げた。トロンは驚き顔を上げる。
「勘違いしないで。あたしが腹を立ててるのは、あんたを止められなかった自分自身に対
してよ!」
 そこまで一気に言い切ると、あたしはニヤリと笑ってみせた。
「あんたのおかげで、あたしもルーシィも助かったのよ……ありがとう、トロン」
『……リン』
 しばらく、狐につままれた悪魔みたないな顔をしていたトロンだが、しばらくして、か
すれたような声でつぶやいた。
「あのさ、トロン……」
 その先が続かず言いよどむあたしに、トロンは不思議そうに首をかしげた。
『ン、どうしたノ?』


                    シャーリー。


 あの夜の戦いで、意識を失う前にトロンがつぶやいたセリフ。
 どうしてもその名前が頭から離れず、トロンにそのことを聞きたかったけど、なぜかあ
たしはそれ以上言葉が続かなかった。

                今は聞かない方がいい……

 あたしの内にいるもう一人のあたしが、そうささやいたような気がした。
「んん、やっぱいい!」
 照れ笑いを浮かべながら両手を振るあたしを見て、わずかにトロンのまゆが寄った。

                         ※

「さて…と」
 あたしはトロンとルーシィを抱き上げたまま、背後を振り返った。部屋の入り口には、
店長さんが無言で立っていた。
「あの、姫宮先輩は……」
 あたしの問いに、店長さんは首を振った。
「いや、今日はまだ着ていないようだね。まさか、一ノ瀬くんがこんなに早く退院すると
は夢にも思ってなかったろうしね」
 そう言いながら苦笑する店長さん。でも、その返事で、店長さんが姫宮先輩から事の顛
末を聞いていることをあたしは察していた。
「じゃあ、代わりに店長さんに聞いちゃおうかな?」
 おどけたようにそう言うと、店長さんの表情がかすかに強ばった。
「一ノ瀬くん」
「すべてを知りたいんです!」
 あたしは真顔でそう言いながら店長さんに詰め寄るが、店長さんは口を開かない。
「あの白い神姫が言ってました。あたしたちは『“罪人”に組みする者だ』と、“罪人”っ
て誰のことなんですか? 半年前、この店で何が起こったんですか?」
 一気にまくしたてり、あたしは息継ぎをしながら返事を待った。しばらくして、店長さ
んは大きく息をはいた。
「……わかった、すべてを話そう」
『店長さんっ!』
 あきらめたように口を開く店長さん。リベルターの悲鳴にも近い叫びがそれを覆う。
「リベルター、私たちは一ノ瀬くんたちを巻き込んでしまった。こうなったら、すべてを
話すべきだと私は思う」
『でも……』
 さとすように店長さんは話しかけるが、リベルターは、まだ納得できないようだった。
「ただ、一ノ瀬くん。事情を説明する前に、きみに会わせたい人がいる」
「会わせたい……人?」
「いや、実際には人ではないが……」
「?」
 訳がわからず怪訝な顔をするあたしを見て、店長さんは意味深な笑みを浮かべる。
 近くを通りかかった店員さんに、しばらく誰も部屋にこさせないようにと念を押し、店
長さんは二階にある私室へとあたしたちを案内した。
 全員が部屋に入ると、店長さんはドアに鍵をかけ奥の扉へと歩き出す。そこは以前、
ライドシステムの説明を聞いたときに気になった場所だった。

        店長さんは、頑丈な作りの扉の前に立つと、静かにノックした。


               「……リベルター、入ってもいいかい?」


            店長さんの口から紡がれた、思いもしない言葉。


  反射的に振り返るが、テーブルの上に立つリベルターはうつむき、その表情はわか
らなかった。

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