神姫者の巣

神姫好きの、また~りとしたブログ

武装神姫 クロスロード 第41話

                武装神姫 クロスロード

                  第41話 「猛攻」

 あたしたちは飛翔し、サタナエルと対峙する。
 サタナエルは、左右を生き残った六体の使徒たちに守られるように悠然と宙に浮いてい
た。
 目指す敵は目の前! ほんとうならすぐにでも攻撃に転じるべきだったけど、改めて相
対したサタナエルの圧倒的な威圧感に気をされ、あたしたちは誰一人動けなかった。
『……奴は、何処にいる』
 どうしたものかと考え込んでいると、うなるようなつぶやきが聞こえてきた。
 おどろき振り向くと、レスティーアが左右に鋭い視線を送っている。
『……何処だ、アイギス!』
 ようやくあたしは、サタナエルを護衛する使徒たちの中にレスティーアの仇敵であるア
イギスの姿がないことに気がついた。
 いつの間にか、ひとり非常口の前まで移動している片桐のそばにも見あたらなかった。
「アイギスでしたらここにはいませんよ」
 回答は下からもたらされた。片桐はニヤケた笑みを浮かべながらあたしたちを見上げて
いる。
「彼女には別の用を頼んでいましてね……まさかここまで手間取るとは夢にも思わなかった
のですよ」
 いかにも人を喰ったような片桐の態度に、すぐ横からレスティーアの歯ぎしりの音が聞こ
えてきた。
「落ち着いて、レスティーア」
 いまにも片桐に飛びかからんとしていたレスティーアだったけど、姫宮先輩の声が聞こ
えるやその動きがぴたりと止まった。
「あなたの悔しさ、怒りは私にもよくわかる……でもね、あなたがここで私怨を晴らすた
めだけに独断専行を行えば、半年前のあの悲劇を繰り返すだけなのよ?」
 姫宮先輩の声音はどこまでも静かだったけど、それを耳にするやレスティーアは雷に打
たれたように硬直してしまう。
『姫……』
「あなたはもう、一人ではないの」
 先輩の声に、レスティーアはハッと顔を上げあたりを見回す。あたしたちと目が合うと
レスティーアはかすかにはにかんだような笑みを浮かべたが、すぐにいつもの厳しい表情
になるやサタナエルをにらみつける。
『さってと……』
 内心ホッとしながら、あたしは直面した難題を解決すべくあたまをめぐらせはじめた。
『まずは使徒たちを片づけるのが先決でござろうな』
 考えてることは同じみたいだった。ガーネットのつぶやきに、あたしは無言でうなずい
た。
『……その必要はない』
 荘厳な響きを込めた声に前を見る。サタナエルは左右に目配せしながら首を振った。左
右に散った使徒たちが、音もなく後退を始める。
『どういうつもり?』
『言ったとおりだ。茶番はもう終わり……貴様等の相手など私ひとりで充分』
 サタナエルはゆっくりと前へ進む。バイザー越しに見える瞳には憎悪の炎がゆらめいて
いる。
『まずは貴様等から』
 サタナエルがレスティーアたちを順に見ながら押し殺すようにつぶやく。
『そして──最後に貴様だ!』
 サタナエルは真っ正面からあたしを見据えると、吐き捨てるように言い放った。
『どうやら余計な“モノ”が混じっているようだが関係ない! 今度こそ欠片も残さず消
し去ってくれる。』
 “モノ”扱いされ、カッとなったあたしだったけど、背中から聞こえたレスティーアの
声になんとか踏みとどまる。
『欠片も残さず消えるのはきさまの方だ!』
 サタナエルめがけて、三条のビームが突き進む。一瞬おくれてもう一条のビームの束が
サタナエルに吸い込まれていく。
『……<エデン>』
 必殺の一撃になるかと思われたレスティーアとリベルターの攻撃。でも、それは瞬時に
展開されたフィールドにより、いとも簡単に弾かれてしまった。
『ぉおおおおおッ! ぺィイイイン ナッコォオオオオオッ!!』
 呆気にとられ硬直してしまったレスティーアたちの横をすり抜け、リューネが雄叫びと
ともにサタナエルめがけて殴りかかった。
『なっ!?』
 サタナエルの頬めがけて叩き込まれるはずだったリューネの剛拳も、やはりフィールド
の前にはばまれサタナエルまでとどかない。
『やはりあのフィールドをなんとかせねば、こちらの攻撃は利かんようでござるな』
 さっき自分の必殺剣がフィールドの前に無力と知ったガーネットが、冷静にサタナエル
の能力を分析しながらつぶやく。
『何を悠長なことを! このままでは無駄に時間に浪費するだけでしてよ?』
 なおもフィールド越しにサタナエルを殴り続けていたリューネが血相変えてガーネットに
噛みつく。
『なぁに、時間は取らせんさ』
 鬱陶しそうにリューネをちらりと見ながら、サタナエルが憮然としながら言い放つと同
時に、サタナエルの背後で爆発が起きる。
 それが巨大なブースターから放たれた光球だと気づいた時には、サタナエルの巨体が
急上昇をはじめた。
 呆気にとられているあたしたちから距離をとると、サタナエルは急制動をかけその場で
停止した。
 サタナエルの全身を覆っていたフィールドが音もなく消える。
『今よっ!』
 我に返ったあたしが叫ぶと、みんな四方からサタナエルを攻撃すべく一斉に動き出した。
『ルーシィは美佐緒たちを守って!』
 どうしていいかわからず、おろおろとあたりを見回していたルーシィに声をかける。
 ようやく自分が何をすべきか気づいたルーシィは、ビームライフルを肩に担ぐと一目散
に走りはじめた。
『<フェザー>』
 サタナエルがささやくようにつぶやくと、翼状のパーツの一部が大きく開いた。その奥
に見える小さな影がせり出し、射出体勢に入る。
『……ガンポッド』
 あたしの横で、レスティーアがうめくようにつぶやいたのが合図だったかのように、ガ
ンポッドは一斉に射出された。
 我に返ったあたしたちは、弾かれるように左右に散った。レスティーアとリベルター
は果敢に狙撃をはじめるが、ガンポッドの数はざっと見ても五十はくだらない。
 数基のガンポッドがビームの光の中に消えたが、まさに「焼け石に水」状態だった。
『くっ……何ッ!?』
 回避運動を試みながら、なおも狙撃を続けるレスティーアに数条のビームが襲いかかる
が、強化腕の片方を失いながら、かろうじて不意打ちをかわす。
 内心胸をなで下ろしながら視線をめぐらせると、加虐的な笑みを浮かべたサタナエルが
こっちを見ていた。その巨躯に収められた砲口から光が溢れている。
『来るでござる!』
 ガーネットの叫びと同時に、数条のビームがあたしたちめがけて放たれた。
 どちらか片方だけなら、まだなんとかなったかもしれない。でもガンポットとビーム砲、
この両方を同時にかわす術はあたしたちにはなかった。
『ぐっ!』
『きゃああああ!』
 レスティーアとリベルターは飛来するガンポッドをかろうじてかわすも、ビームの直撃
を受けてしまう。
『がっ!』
『ああ!?』
 ガーネットとリューネはビームをかわすことには成功したけど、ガンポッドの四方から
攻撃にその身をさらしてしまう。
『みんなッ!!』
 身に纏っていた武装をまき散らし、白煙を全身からたなびかせながらリューネたち四人
は力なく落ちていく。
 あわててみんなのあとを追おうとしたが、背後からせまる無機質な殺気に反射的に振り
返る。目の前にガンポッドが迫っていた。
 でも、なぜかガンポッドの群は目と鼻の先でガンポッドは動きを止めてしまう。
『なんのつもりよ!』
 音もなく宙に浮くガンポッド越しに、無言であたしを見ているサタナエルに誰何する。
『言ったはずだ、貴様は楽に殺さんとな……今、おもしろい考えが浮かんだのだ』
 サタナエルは重々しくつぶやくと、あたしを取り囲んでいたガンポッドが一斉に動き出
した。
 襲いかかるガンポッドの群、反射的に身構えるが、ガンポッドはあたしを避けるように
動くと猛スピードで背後に流れ去っていく。
『己の非力さを呪い絶望に身をよじれ──貴様を破壊するのはその後だ』
 抑揚のないサタナエルのつぶやきに、彼女のねらいがなんなのかあたしは気がついた。
『美佐緒、逃げて!』
 ガンポッドはくいと鎌首をもたげ、獲物をねらう蛇のような動きで背後の美佐緒たちに
襲いかかる。
いち早く気づいた姫宮先輩が美佐緒の手を取り安全な場所に避難させようと動きだし、
その足下ではルーシィが懸命にガンポッドを打ち落とそうとしていた。
 あたしも必死に後を追うが、ガンポッドとの距離は一向に縮まらない。

                 だめだ、間に合わない!


           『<ライトニング・フェザ───────ッ!>』



 心臓を鷲掴みにされたような痛みが胸を走る。その時、絶望が胸を覆い顔を伏せた瞬間、
凛とした声が響き渡った。

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ちょっと野暮用がありまして……

そ~、…………。

お、お久しぶりでございます。
そろそろみなさんの記憶の彼方に葬られた頃でございましょうか? 忘却の男、シロでございます。

タイトルにも書きましたが、実は最近、とあることにチャレンジしており、すっかりブログの更新をさぼっておりました。

そちらの用が済んでからブログの再開を、と思ってましたが、このままだと年内一杯ぐらいかかりそうなので少々予定を変更することにしました。

まったく更新の無い、こんなブログを辛抱強く見に来て下さっている方に申し訳ないですからね(汗)。

といっても、ネタ自体ほとんどないので、少し書き溜めてある神姫SSの掲載ぐらいしかできませんが……。

今取り組んでいることが終われば、そちらもこのブログで発表する予定です。
最近は文字ばかりの内容ですが、もうしばらくお付き合いください。



閑話休題。

いや~熱いですねぇ、『ガンダムビルドファイターズトライ』!

設定も変わったのもそうですが、実はトライのキャラがあまり私の好みではなかったため正直不安でしたが、そんなモノは第1話を観て吹き飛んでしまいました。

いや~、みんな生き生きとして、じつにイイ感じですね。

それにしても、1話を観ていて格闘技一筋に生きてきた少年、カミキ・セカイがどうやってビルドバーニングガンダムを製作するか楽しみにしてたんですがね。

優勝トロフィーの底がガパッと開き☞中からドムが出てきて☞さらにその中からビルドバーニングガンダム出てくる!

まさか、こんな風に主人公とガンプラが出会うことになるとは夢にも思いませんでしたよ(笑)。

最初は「え~、こんなのご都合主義的じゃねぇの?」と思ったんですが、よく考えてみると、ビルドバーニングガンダムってセカイ専用に用意されていた物ではなく、セイがレイジと再開を果たした時のためにレイジ専用機として作ったガンプラだったんですかね?

それなら格闘主体となっているのも頷けます(じっさい、レイジも『ファイターズ』終盤では、拳ひとつで戦ってますしね)。


まあ、何はともあれ『ガンダムビルドファイターズトライ』、これからも目が離せそうにありません。

今取り組んでいることも、ますますモチベーションがUPしそうです(笑)。

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