神姫者の巣

神姫好きの、また~りとしたブログ

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我が家の神姫たち その3

 深夜……人々はまどろみ、夢の中で第二の生活を営む時刻。

 昼日中ですら、ほとんど往来のない細い小道に、まばらに設置された常夜灯が己の責務を果たそうと辺りを照らすが、仰ぎ見る夜空は厚い雲に覆われ月はおろか星ひとつ見えず、その努力を笑うかのように暗闇ですべてを包み込もうとしていた。

 闇に覆われその先は見えず、まるで冥府へと続いているのでは、と錯覚させる路地の奥。

              人影ひとつない……いや、“それ”はいた。

 あまりにも小さな、それでいて、完璧なまでに人の姿をそなえた小さな影が。

『くっ』
 小さな人影が、苦鳴にも似た声をもらす。

 それは、オールベルンと呼ばれる神姫だった。
 スラリとした体躯に纏った甲冑は月光を浴び、それ自体がまばゆい光を放っているかのような幻想的な姿だった。
 だが、わずかな月明かりのなか、舞台のはじまりを待つプリマのように佇む彼女の端正な顔は、不釣り合いなほどに険しさをにじませていた。

『くくくっ』

 闇の奥から聞こえた微かな含み笑いに、オールベルンは我に返ると、華奢な腕で細剣をかまえ、前方の闇をにらみつける。

 路上に転がる小石ひとつ判断できない闇が、さらに濃密な影を生み出した。

 影は両手を大きく広げ、すべるような動きで進み出ると片手を胸に当て、深々と頭をさげる。
 その態度に、オールベルンの表情が険しさを増す。

 その姿からオールベルンを“剣姫”と例えるなら、眼前の黒影はまさに“道化師”だった。

 道化師は数か月前に、オールベルンの住む街に突如姿をあらわし、夜な夜な“神姫狩り”をはじめた。
 この蛮行に、街に住む神姫やオーナーたちは敢然と立ち向かった。だが、道化師に挑んだ神姫は、誰一人戻ってはこなかった。
 そのなかには、オールベルンにとって親友とも呼べる存在の名もあった。
 だが、彼女は数日前に変わり果てた姿で発見された。

 この一件のあと、道化師に挑む者はいなくなった。
 オールベルンのマスターも、道化師に接することを厳しく禁じた。

                    だが…… 

 『くそっ!』
 何度目であろうか? むなしく空を切る細剣を握りなおすと、オールベルンは射るような視線を道化師に向ける。彼女の攻撃はことごとく防がれてしまう。いや、道化師はただの一度も彼女の剣を受け止めてはいなかった。
 風に身を任せる羽毛のような動きで、剣姫の斬撃を受け流すだけだ。

 一方的に体力を消耗するオールベルン。肩で息をしだした彼女を無言で見つめていた道化師は、突然ほこりを払うかのように、片手で胸元をはたく仕草をはじめる。
 それが挑発を意味するものと理解した瞬間、彼女は一直線に突き進んだ。
 道化師は黙ってそれを見つめていたが、ついと両手を胸元に持ちあげる。
 そこには、どこから取り出したのか、数本のナイフが握りしめられていた。一瞬の間もおかず、投擲されたナイフが唸りをあげてオールベルンに迫る。

               それを迎え撃つは、一条の銀光のみ!

 四方から襲いかかるナイフは、細剣の一振りでことごとく弾き返されてしまったのだ。その剣技に動揺したかのように道化師の動きが止まり、剣姫の口元に会心の笑みが浮かぶ。

 オールベルンは剣の柄を両手で握りしめると、渾身の一撃を道化師に向かって叩きつける。
 だが、突如背中を襲った激痛に、硬直したように動きを止めてしまう。背後を擬視したオールベルンの瞳に、柄までめり込んだナイフが映り込む。
『そ、そんな……な…ぜ……!?』
 信じられぬといわんばかりに弱々しく首を振るが、すぐそばに気配を感じ、オールベルンは慌てて前を向く。
 目と鼻の先、肌が触れ合うほどにすぐそばに、道化師が立っていた。オールベルンは話しかけようとするが、いきなり道化師は首をかしげてしまう。

 道化師の背後から音も無く飛来したそれを、自身が弾き返したナイフと剣姫は気づいただろうか?

『くくくっ』

 最後のナイフが深々と額に突き刺さり、ゆっくりと背後に倒れこむオールベルンの耳にあの笑い声が木霊する。

        そう、何か喉にからまったような、聞く者を不快な気分にさせるあの笑い声。

 深い闇に落ちていくような感覚のなか、オールベルンは今回の一件に関わった人たちの間でささやかれた、眼前の道化師に与えられた名前をつぶやいていた。


             
                  『あざ……笑う…もの…』






というわけで、ようやく完成した「嘲笑うもの」、以前ASUR・AさんがやっていたSS風味で紹介してみました。

 今回は自分のブログよりも、メンテナンスの関係でしばらく活動を休止するfgの方に先に投稿するという掟破りなことをしてしまいました(汗)。


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長文ばかりでは紹介にならないので、さっそく画像を。

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道化師ならば、やはりナイフを使った芸は外せないだろうと選んだ武器ですが、やはり少々インパクトに欠けますかねぇ(笑)。

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とはいっても、ただ投げるだけでは芸がないので、〇ットのように遠隔攻撃が可能としました。これによって、中距離から短距離ぐらいのレンジをカバーできるでしょう。

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リアビュー。fgの方でも書きましたが、頭部の球とテールブースターのおかげで、とんでもなくバランス悪いです。

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当初は、アダルティなお姉様フェイスでも移植しようと思いましたが、脳内設定を優先してマスクのみとしました。その仮面の下にあるもの……それは彼女が狂気に走る原因そのものなのです……。

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考えてみると、「武装神姫」という存在に出会ってもう五年近くが過ぎようとしていますが、なぜか私は悪役やラスボスといったポジションの神姫を作ったことがありませんでした。

ようやく完成した「嘲笑うもの」。当初目指していたものとはまるで違ったものができてしまいましたが、この道化師を模した神姫は完全なダークサイドの存在であり、私にとって大きな意味があるのかもしれません。


それでは、今回の神姫の紹介はここらでお開きとしたいと思います。

ではっ!



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コメント


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道化師型神姫 「嘲笑う者」完成おめでとうございます~

そして、私の拙いSS風味を真似していただき、恐縮です。
私なんかよりも、もっと雰囲気が出ていて良いですよ~

武装も似合っていますし、SSも今後の展開が楽しみな感じで終わっていますし、どちらも良いと思います。

今後は、この子がシロさんの家ではどんな風に動くのか楽しみです。

それでは良い神姫ライフを~

ASUR・A | URL | 2012-03-03(Sat)23:51 [編集]


あちらにもコメントしましたが・・・

怖っ((((;゚Д゚))))

我が家の中破したエレノアとは大違いの素晴らしい出来に脱帽です。やっぱりうまい人が作ると出来が違いますねー^^

でも・・・怖っ!((((;゚Д゚))))

初瀬那珂 | URL | 2012-03-04(Sun)00:24 [編集]


>ASUR・Aさん

いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

いやいや、もっと雰囲気が出ていたなど、とんでもない! ASUR・Aさんにそう言われると赤面の至りというやつですね(汗)。

「嘲笑うもの」の今後、ですか? そうですねぇ、やはり倒されるまで“神姫狩り”を続けるんでしょうねコイツは……。
でも、あまり物騒な日々が続くのもアレなんで、いっそ「嘲笑うもの」に敵対する神姫でも作りますか(笑)。


>初瀬那珂さん

いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。

えっ、そんなに怖かったですか?
ただいま妄想中の「嘲笑うもの」の相棒はもっと……あ、いや。なんでもないです(汗)。

素晴らしい出来とは、褒めていただきうれしいですが、やはり今回の作品はエレノアさんたちとの出会いがあればこそのもの!
今後もこういった出会いがあればなぁ、と思います。

それと、エレノアさんはいまだ中破状態との事ですが、いずれMK-3化して再開できることを楽しみにしております(笑)。





シロ | URL | 2012-03-04(Sun)19:55 [編集]


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